こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
先日のブログでもお伝えした通り 今年の夏に発行予定ノーブレスト新カタログ
THE BIBLE-11の製作に追われ・・・
正確にはTHE BIBLE-11に向けての新製品開発に追われ、連日忙しく
四苦八苦しております。
今回の「11」は Newパーツ目白押しの号で、それらを全部カタログに掲載
しようと喰らいついちゃってるのが忙しさの原因。
加えてつい最近、今後もう製作する事は厳しいと予想してたCB1100Rの
RCMオーダーが入りまして、それがまた とんでもないスペックである事から
Youtube動画の構想や準備など、ますます気が抜けない状況に・・・ (;^ ^A
そんな多忙な日々ではありますが 新製品についての情報を事前にお見せしたく
カタログ発行まで何回かに分けてご紹介して行きたいと思います。
可能はものは なるべく「内製」でやる。
となると当然、製品の企画・構想から社内で始めて 採寸測定 → 2Dキャド
材質を検証しつつ → 3Dモデリングまで熟す。
どうしても専門の外注業者さんに一部依頼せねば出来ない加工はありますが
なるべく社内で携わる・・・
可能な製品に関しては社内で完全フィニッシュに至るよう取り組んでいます。
これはCNCの製品で、実はオイルキャッチタンクを構成するパーツの一部。
フィッティングアダプターが取り付け出来るよう ネジ穴の有効深を確保した
A6061材からの削り出しで、側面にある薄い溝は後ほどお見せしますが
相手側部材との組み立て精度を確保する為の構造です。
3Dモデリングに至る前に、実車側の寸法を測定したりメンテナンス性に
問題がないかなど確認事項が多々あって、そこから絵を書いて数値を入れ
紆余曲折を得て、ようやく3Dに辿り着きます。
このモデルは側面のキャップで、オイルレベルウィンドウを設けたもの。
キャッチタンクが取り付けされた際、レベルウィンドウが視認できないと
意味がないですから、位置一つ決めるにも何度も検証を繰り返しました。
数日後 全ての部位が揃った為、いよいよ試作を造る事に・・・
このオイルキャッチタンク、Z1やKZ系用のボルトオンKITとして
開発して来たのですが、3号機レーサーに使用していたタンクの内部に
遮蔽板を設けた機能追加仕様で、何度も試案を繰り返し今に至った次第。
右と左の部屋を遮る縦プレートは、穴サイズの大きなメッシュプレートの
スリットに差し込んで、表裏 延べ3か所ほど固定溶接。
T字型に溶接された遮蔽板を今度はユニオンプレートのスリットに差し込み
4ヵ所曲げ込んだA5052材のハウジングにシュ~ッと挿入。
先ほど3Dモデルで説明したユニオンプレート側面の溝は ハウジング側の
板材とはめ合う為、位置決め・形決めを同時に伴わせている治具性を有した
構造になっている訳なんです。
挿入後は、こんな感じ。
画像手前が、エンジンから排出されてくるブローバイガスが入るインテーク。
1か所は普段ボルトで塞いでいますが、2本繋げられる構造にしているため
ブリーザーボルトだけでなくオイルフィラーキャップからも誘導できるもの。
メッシュプレートを通過したガスの油分はタンク底部に溜まり、ガス自体は
隣の部屋から大気放出される仕組みです。
続いては、A6061材から削り出した側面キャップを取り付けましょう。
この部品も3Dモデリングで 形状や寸法に拘ったパーツ。
ハウジングとの内寸、そして遮蔽メッシュプレートも側面キャップの溝に
はめ合わさる・・・
こうする事でタンクその物の箱剛性を確保できるし、何より組み立て工程で
個体誤差が出ずらく、作業が楽になるんです。
パチッ!と、気持ちいい精度で側面キャップが収まっています (^_-)-☆
完成後、見えなくなってしまうのが勿体ない・・・
もちろん、反対側も同じ様な はめ合い構造で、パチッ!と合わさります。
CNC部品とレーザーカット部品のハイブリッドで、この精度を出すのに
擦り合わせをしてはボツ・・・ また擦り合わせをしてはボツの繰り返し。
異なる質での製造部品をバッチリ寸法で併せるのに時間が掛かったんです。
ニギニギしてみました。
う~ん・・・
美しく出来た部品なだけに、この後の自分の溶接が緊張する ( ̄▽ ̄;)
3DモデリングはPC上で単体重量まで表記される為、CNC部品をなるべく
軽くするよう設計しました。
ただ、それでも薄肉軽量のキャッチタンクよりは僅かに重さを感じますね。
ですが、箱としての剛体は申し分なし!
これだけしっかり強ければ、フィッティングパーツを締め付ける際のトルクで
タンクそのものが歪んだりする事も無いでしょう。
覚悟を決めて本溶接に・・・
溶接しながら(これ もしかして、また俺がやる仕事?)
(もしかしなくても間違いなく俺担当の仕事だよね・・・)などと考えつつ
(イカン! 邪念を捨てねば溶接しくる!)と、全集中!
ちょっぴり邪念が入ったのか、全集中し切れず・・・
二階、菊地の研磨室に飛びこんで助けを乞いました (^_^;)
磨きも内製。
て言うか、研磨部門があって良かった!と言うオチでした・・・ (;^ ^A
次は車体側にタンクが取り付けられ、ホースワークまでフィニッシュされた
コンプリートをお見せしたいと思います。
少しインターバルが入りますので、次回は違う新製品開発をご紹介しますね!
(その2)に続く