Z ハイプレッシャー オイルポンプKIT【YRPレーシングタイプ】

キャビテーション対策 高性能トロコイドオイルポンプ
Z系のオイルポンプは旧いギヤ式構造のため油圧が低く、また経年変化により著しく機能低下しているものが殆どです。 ハイプレッシャーオイルポンプKITは現代規格のトロコイド式オイルポンプであり、非常に優れた循環性能を発揮する製品です。
Z系のオイルポンプギヤは、エンジンオイルの油面に差し掛かった位置にあり、ギヤの高速回転によって気泡が発生するキャビテーションを常に起こしています。
ギヤ式ポンプは、すぐ下のオイルポンプ吸込口から気泡が大量に流入し、ギヤ間を通過する際に発生する懐圧によって、軸部にダメージを発生させます。またシリンダーヘッドに上がるラインはもちろん、オイルクーラーへの循環も常に気泡が混入するため、油圧が不規則なうえ、冷却効率も著しく落ちています。ハイプレッシャーオイルポンプは、ギヤカバーによってギヤ回転で発生するキャビテーションを抑える消泡構造で、トロコイドローターの高性能と相まって理想的なオイル循環を実現させています。
ハイプレッシャーオイルポンプは潤滑系統の健全化により以下の症状が改善されます。
●アイドリングでオイル警告灯がチカチカ点滅する(ノーマルポンプの油圧低下から起こる症状)
●大型のOILクーラーコアを取り付けている。もしくは長いOILクーラーホースを使用している事
から の油圧不足(ノーマルポンプの油圧では不足)
●排気量や圧縮を上げた事から油温が上がりやすい。オーバーヒートや熱ダレを起こしやすい。
(油圧が低い事から効率よい冷却循環が出来ていない。)
ハイプレッシャー オイルポンプKITは、これらの症状に対し大変効果のある製品です。
安定した高い油圧は、エンジン全体に大きく影響しシリンダーヘッドに上げるオイル圧送力も増す事からカムシャフトやメタル、タペット等の摺動負担を低減。
チューニングヘッドにも有効で、熱ダレから起こるギヤ抜けにも効果があるなど、エンジンに対して幅広く性能を発揮します。
シャシーダイナモと実走ログによるECUでの油圧解析(弊社計測)
同じ車両、同じエンジンオイルを用いてオイルポンプのみを交換しテストした結果、シリンダーヘッド温度が同じ状況においてアイドリング時の測定比較をすると、トロコイド式はノーマルギヤ式の3倍近い油圧(110:39)が発生しています。トロコイド式は急な減速時、あるいは渋滞時に低速走行している状況でもオイルクーラーコアに十分なオイルを圧送しています。
トロコイドポンプの最高油圧値はノーマルギヤ式と同じ。異なるのはトロコイド曲線が生み出す全回転域の油圧安定です。
油圧波形グラフの解析でわかるのは、ギヤ式もトロコイド式もどちらも560kpa前後と最高油圧値は同じである事です。これは空冷GPz1100の純正オイルポンプが採用していたリリーフバルブをハイプレッシャーオイルポンプKITでも装備している事から、過剰な油圧となる手前でバルブが作動しノーマルギヤ式と同じ最高油圧で制御されているからです。すなわち過剰な油圧はなく、もう少し欲しかった回転域の油圧だけが補われており、トロコイドローター式の方が回転の上昇や下降に伴う急激な油圧低下が少ない。これこそがトロコイド曲線ならではの安定した特性です。