こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
つい最近の事
数年前、お客様から下取りをしたGSX1100Sカタナを引っ張り出して
「これ、このまんま持ってるだけじゃ意味ないよなぁ・・・」と言う事になり
「それなら!」と RCM化する事になりました。
お客様からオーダー頂いた車両ではないので、RCMクラフトマンシップと言う
作り置き販売の車両になる訳ですが、どうせなら「売る」と言う目的だけでなく
「今サンクチュアリーがカタナのRCMを造ったら こう!」と言うコンセプトで
造ろうと、久々デモ車としての製作がスタート。
デモ車ともなれば クラフトマンシップ魂に火が灯るというもので・・・
中村も含めた、自分達 本店スタッフの好き勝手で造らせて頂きますよ~ (^^ゞ
中村とコンビを組むのは、永井メカ・・・
永井の経歴を簡単に説明しますと、整備系の大学を卒業し大手四輪ディーラーや
バイク販売店でのメカニックを経てサンクチュアリー本店に入門。
各種資格の取得はもちろん、基本的な知識や現場経験があって、未経験と言えば
板金溶接の類、旋盤やミーリングなどの刃物加工、そしてシャシーダイナモでの
キャブセッティングなど、カスタムチューニング業界に特化した分野のみ。
そこの経験値を沢山積んで練度を上げれば サンクチュアリーのメカニックとして
立派に育つ事でしょう。
なぜ、こんな事を言うかというと・・・
早くも手を借りてるからです・・・ (;^_^A
何を手伝って貰ってるかと言えば・・・
3Dモデリング図面のデータ作成でした。
こればっかりはPCオンチの中村にとって、かなり高い壁でして・・・
2Dキャドですら今や本店のメカニックや製品部門のスタッフ達でさえ全員が
できると言うのに、中村はどうにも不得意・・・ (-“-;A
3Dともなると更にハードルが高いんですが、今回のRCM-644カタナに
採用したいある部品を造りたく、それが3Dで作図しないと非常に難しくて
難易度の高さから永井の手を借りた次第でした。
先ずは自分が漫画レベルの手書き図面を書きます。
永井曰く「これがあるからこそ出来ます、むしろこっちの方が凄いです」と
褒めたたえてくれるんですが、自分としては全く持って大した事をしている
意識がなく、自己嫌悪・・・
微妙~ みたいな? (;^ω^)
自分が書いた絵をデータとして落とし込んで行き、各パーツ単体レベルでの
モデリングを作図して行きます。
そして・・・
複数あるパーツを画面上で重ね合わせ、位置や数値の整合性を確認して行く。
これは我が愛機RCM-001や、先日納車になったRCM-600 MK-Ⅱに
採用されていた【エキセントリックアジャスト式のリアサスマウント】を
スタビライザーとの一体型ではなく、サスマウント単体式にした進化系仕様。
どこかでやりたいな~と構想はしていたんですが ようやく製品化をする事に
なりまして、モデリング作図していたと言う訳なんです。
実は白状しますと、これが寸法的に中々大変でしてね・・・
構造的に何とか成り立たせようと、四苦八苦&紆余曲折 ( ̄▽ ̄;)
「こっちを1mm、その上でここをコンマ5mm・・・」と、細かい 細かい。
ちなみに永井の良い所は、こういう一面じゃありません。
サンクチュアリーの仕事が趣深くて面白いらしく、何と言っても一生懸命に
仕事に取り組んでくれる姿勢が良いところ。
佐々木、梅田、郡、島田に次ぎ、新たに一軍クルーが加わった感じですね!
もっとも本人は基本 楽しいだけらしくて
まぁ、仕事が楽しいって言うのは何よりですな・・・ (;^_^Aウンウン
再びフレームに戻りました!
既にチェーンラインのオフセット対応インライン処理が施してありましたが
今は昔よりも優れたブランク材があり、それを使う事でより良い仕上がりに
なるので、やり直しを行う事にしたんです。
フレーム補強も施して、この後は【新型レイダウン治具】の登場と相成ります。
その模様は、また次回 (^_-)-☆
シリアルナンバーRCM-644 GSX1100Sカタナ
ぶっちゃけ 自分が現役で頑張れるこの先、最後のRCMカタナになるのではと
予感している車両です。
ラスベガスのオーナー車RCM-500に触発され刺激を受けたのは確かですが
あのRCM-500よりも普通にカタナらしく、それでいて凄いマシンにする事。
「派手な色や煌びやかな綺麗さ」で勝負するミーハーなショーバイクではなく
内製開発した自社パーツと独特な構造、バランスの秀抜さで勝負できる・・・
そんなマシンに仕上げたいと思います。
(その2)に続く