こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
このRCM-521のオーナーさんは、サンクチュアリーレッドイーグル店の
お客様であるN・Oさんで、レッドイーグル店を窓口に本店へオーダーとなった
KZ1000MK‐Ⅱです。
ここ数年増えた様に感じる サンクチュアリーのグループ店から本店への製作依頼
コースで、完成後はそのグループ店で納車されてアフターまで対応と言うRCM。
もちろんその製作模様ブログも本店が担当なんですが、今年の4月頃に1回だけ
ご紹介したっきりで その後全く更新できず・・・ ( ̄▽ ̄;)
本当はもう少し製作中の画像をお見せしたかったんですけど、自分の力不足から
いきなり完成 最終回となってしまった事、申し訳ありませんでした <(_ _)>
既に先日、レッドイーグル店へ引き渡し済みの N・Oさんのマシン・・・
ご紹介しましょう。
RCM-521 KZ1000MK‐Ⅱです。
オーナーのN・Oさんとは直接マシンの仕様や予算についてやり取りもしており
レッドイーグル店との打ち合わせはもちろん、N・Oさんご本人の希望や意向も
聞けた事から、リクエストに応えた1台が出来たと思っています。
最大の難関は何だったかと言えば、それはもうベース車高騰からの予算問題・・・
Z-1も(あれっ? もしかして ない?)って感じの 嫌な流れが見え始めましたが
MK-Ⅱに関してはもはや壊滅状態・・・
何が壊滅って、とにかくベース車が無いんです・・・ (-_-;)
RCMは足回りや電装・ボディ系など、その大半を最新の現行パーツに交換して
いますし 同時に徹底したレストアも施す事から最初から普通に乗れる様な車両で
なくとも全く問題がありません。
だからフレームやエンジンと言った重要部位に致命的なダメージがない事だけ
確認できた100万円前後のベース車を用いて製作して来たのですが・・・
普通の中古車でも350万円前後の値段が付いており、そんな高額なベース車で
RCMを製作しようものなら それこそとんでもない金額になってしまいますから
ベース車は100万円前後の車両でないと さすがに厳しいんです。
ところが その安価なベース車が枯渇してしまったので、最近は150万円前後の
車両をベースにしており、そうなると仮に 今までと同じ車両を製作したとしても
自ずと50万円以上高くなってしまう・・・
最大の難関は予算以外の何ものでもない・・・
これが今現在のZ系問題の根幹であり、現在も進行中と言う危機的状況なんです。
ベース車価格が上がった分を何とか補うべく 状態良い中古パーツを多用・・・
例えばこの OHLINS製正立フロントフォークや、Brembo製フロント
ブレーキキャリパーなどがそう言ったパーツ達。
またRCMコンセプトプレミアムではない、スタンダードなSUNSTAR製
フロントディスクにして安く抑えるなど 色んな工夫を凝らしました。
唯一 「キャブレターだけは新品がいいよ!」と、レッドイーグル代表 吉田裕也の
意見から今回はF‐CRの新品を採用・・・
たしかに自分も「基本 キャブレターだけは新品に勝るものなし」と思ってます。
ちなみにこのエンジンの耐熱ガンコートもレッドイーグル店で施工されたもので
本店で分解したエンジンをレッドイーグルに送り、ガンコートが完了したエンジン
パーツ達は またこちらに戻って来て精密内燃機加工へ・・・
そんな、本店とレッドイーグル店の間を行き来して合作された様なエンジンは
耐久性に重点を置いた ライフパッケージ仕様・・・
ライフパッケージと言っても 吸排気系パーツのマッチングもあって、低速から
高速まで太いトルクとピークパワーを実現してますから、ストリート走行では
充分な仕様と言えます。
ベース色をブラックにアレンジしたボディカラーも MK‐Ⅱは似合いますよね ♪
画像ではわかりにくいですが、光にあたると ほんのりとブルーが照り出される
フレークが散りばめてあり、これもレッドイーグル代表 吉田からの提案でした。
左右マスターシリンダーだけは Brembo製ラジアルで行きたい!と、ここも
重要なリクエストで、ブレーキ&クラッチホースは本店&レッドイーグル 両店共に
取り扱いをしているイタリアの老舗ホースメーカー Allegri社製のショルト
システム・・・
このAllegri・・・ これまであまりクロ-ズアップされておりませんが
実際 もの凄い縁の下の力持ちでして、つるしのホースKITを使用しない方針の
RCMにおいては もはやなくてはならない優秀なホース・・・
専用のフィッティングクランパーを用いて その場でバババッ!と鉸められますから
車体に合わせたホースワークが瞬時に即できるし、Allegri社の製品自体が
大手4輪&2輪メーカーや世界選手権チームのマシンに数多く採用されているほど
信頼性の高い逸品なので、とにかく重宝しています。
クラッチレリーズシリンダーに繋がったホースもAllegriショルトシステム。
よく見るとバンジョーの角度が あまり見かけないものだと思いますが、こういう
ラインナップの多彩さも細かいホースワークを行うRCMにおいてはとても重要で
きめ細かなホースワークに出来るのが 本当にありがたい! (^^)v
Allegriショルトシステムは サンクチュアリー本店だけでなく、日本全国で
何件かのお店が取り扱いをしております。
どのお店にも専用フィッティングクランパーが設備導入されてますので、詳しくは
NOBLESTのホームページでお調べ下さいね!
製作期間約4~5ヵ月の間、そのプロセスを一回しかお見せ出来なかったのは
とても残念な事・・・
確かに色々重なって忙しかったとは言え、今は中村 猛省しております (-_-;)
でも完成したマシンの方は 自信を持ってお渡しできる仕上がりになってますし
あとはこの後、レッドイーグルで納車されるのを待つだけでしょう・・・
もしかしたら、もう納車されてるかな?
コストパフォーマンスの話が多かったですが、このマシン かなりいい感じ ♪
MK‐Ⅱらしい重厚感を前面に醸し出しつつ、スポーツバイクとしての資質をより
進化させて造り込まれた感がよく見えて、機能美的なカッコよさが在りますね。
カウントダウンに入った空冷Z系車両達・・・
N・Oさんの念願であったRCM MK‐Ⅱを実現させる為、高く険しいハードルを
レッドイーグルと一緒に超えたような・・・
今となっては 何となくそんな感覚ですね。
N・Oさ~ん!
今年はコロナ禍でRCMオーナーズのイベントが出来ず、皆たまってると思うん
ですが、感染拡大が収束したらまた活動を再開しますんで その時は是非!
ROC東北メンバー達と共に この521で、 颯爽と登場して下さいねーっ!!!