こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
すみません・・・
また連日時間が取れず、気が付いたら1週間以上 ブログが更新できてませんでした。
ここに来て、空冷Z系&Ninja系RCMへの問い合わせが また盛り上がっており
毎日の見積りに様々な段取りと製品部門の開発業務に追われて PCに向かい合えず。
まぁ 本日火曜は自分の定休日なんで、こうして自宅でパチパチ出来てますけど・・・
ブログではRCMを中心にご紹介していますが、修理や車検、各種メンテナンスなど
実は一般的な業務も多く、故に預かりバイクが70台とかになってるんです (^ ^;)
バイクカスタム業界の勢いが何故か?全く収まらず、連日の猛暑も加わって皆さんも
さぞかしシンドい事かと察します。
”まだまだご紹介できてないRCMシリーズ” の次の車両をご紹介すべき所なんですが
今回はちょっとお休みで・・・
茨城県在住A・Nさんからオーダー頂いた、久々の空冷GPz1100 RCMー582
(その2)をお見せ致します!
前回、後部の左エンジンマウントを現代的手法で補強したフレームが パウダーコート
されて戻って来ました。
早速 車体を立ち上げるべく、SCULPTURE ゼファー1100用ステムKITの
ステムシャフトだけを造り変えたものにして取り付けました。
GPZ系であれば、ゼファー1100のステムシャフトがそのまま使えるのでは? と
思われた方もいるかも知れませんが 空冷GPzは年式によりステムシャフトの長さが
異なり、このRCM-582もベース車両がその対象年式だった事から ジュラルミン
A7075材から削り出しにてワンオフしたんです。
アルミのワンオフ リアフェンダー用の材料も、切り出しと曲げ加工まで出来ました。
これはRCM-248の時に造ったものと全く同じで これから溶接加工に移行します。
溶接で組み上がったら、社内バフ研磨部門で下研磨され、その後ブラックアルマイト
処理されてようやく完成すると言う、とても長旅なパーツですね。
こちら、スイングアームも 一筋縄では行きません・・・
いつもの2本サスなら上下を繋げる専用治具で合わせ決めるんですが、空冷GPzは
ユニトラックリンク式のモノサスなので、位置や角度、またマフラーテールパイプの
軌道なども見定めて作業を進める必要があります。
スイングアーム本体も、ピボットが左右異なる構造で、イチから測定して算出をし
ピボットセンターを割り出す所からで、ここまで随分手間暇が掛かりました・・・
江戸川区時代のデータも残ってはいたんですが、どうも 怪しいなと・・・ (;^ ^A
あの頃を信じる事なく、イチからやって良かったと言う結果が多いんですわ(苦笑)
リンク回りスリーブはメーカー欠品していましたが、岐阜のスピードショップイトウに
すぐ電話して新品を分けて貰いました ♪
本店のメカニック達には「GPzで困った時は 即アキオに相談してみろ」と言っており
アキオには頭が上がりませんな~ (^^ゞ
Z系用のSCULPTUREスイングアームを流用しておりますが、リアショックの
本体が アームを左右繋ぐメンバーパイプに干渉するので、逃げの加工を施しました。
このスイングアームも、この後ブラックコーティング工程へと旅立つので暫くお預け。
段取りがキリ良い所まで進みましたので、ここらでエンジンを組んでおく事に・・・
いいですねぇ・・・
GPz1100のクランクを見ると、胸がワクワクします (^^)
Zレーサー3号機のエンジンは、前期型 KZのエンジンに空冷GPzのクランクを
組み込んでいるんですが、このクランクはそれこそスペシャル内燃機加工メニューを
施してやると 本当に化けますから。
今現在、GPz1100用のピストンとコンロッドの製作が進んでいるんですけど
これがまた 思わず唸るような品質の逸品でして・・・
この話は特別な内容なので、機会を見てご紹介しますので楽しみにお待ち下さいね。
Z1000J以降でラバーマウント式となったエンジンのクランクケース・・・
GPz1100に至るまで どの年式もそうなんですが、急激な加速と減速を繰り返し
エンジンが前後方向に動こうとすると リア上側のエンジンマウントボルトがしなって
最後には曲がってしまいます。
フロントエンジンハンガーがラバーマウントなのだから、動いてしまうのは最もな事。
動かない様にとリアエンジンマウントのカラーを溶接で一体化させるフレーム補強は
昔からポピュラーなやり方として認識されていますよね。
でも、あの補強を施してもラバーマウントである限り 動いちゃうんですわ・・・
最近ではジュラルミン製の凸型カラーをケースに挿入して、完全リジット固定式で
エンジンを搭載しています。
ただし、これはエンジンが前後に動かない事が大前提・・・
この仕様でエンジンが前後に動くと、本来ラバーが挿入されてる薄肉なケース部に
クラックが入る事も予想されますからね。
このクランクケース後部のエンジンマウントが、絶対的な強度・剛性で支えてやって
始めて、エンジンは前後に動かなくなります・・・
従来からのオーソドックスな補強では、どうしてもまだボルトが曲がってしまうので
その仕様であるならフロントエンジンマウントはラバーマウント式にしておいた方が
良いと判断しています。
ゼファー1100と同じ様な このエンジンマウント補強は、とにかく動きません。
ボルトも専用のものをクロモリ鋼から造ってますが、何より短いのが最大の利点で
この補強にしてからは一切曲がる事がなくなりました。
故に、この補強を施しているRCMでは フロントエンジンマウントにジュラルミン
カラーを挿入してあげています。
組み合わせとバランスは とても大事な事ですよね ♪
A・Nさ~ん!
8月完成目指して進めてますので、楽しみにしていて下さいね~~~! (^^)/