こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
”まだまだご紹介できてないRCMシリーズ” を、ランダムに入れて行っております。
茨城県在住A・Nさんからオーダー頂いた 空冷GPz1100 RCMー582です!
最後に製作された空冷GPz1100のRCMは シリアルナンバーが356・・・
この車両のシリアルがRCMー582ですから、その間なんと226台ものRCMが
入っており、そういう意味でも本当に久々・・・
ベース車は2~3年前に MK-ⅡのRCMを製作されたお客さんから下取りしたもの。
空冷GPz1100も、ここ1~2年でビックリする位 相場価格が上がりましたから
安価でご提供できるGPzのベース車は、これが最後の1台となっちゃいました。
この先、GPzではもう造れないかなぁ・・・ と言う、実感がありますねぇ (-_-;)
製作の手順は基本 他のRCMと同じで、車両を分解しつつ各部を点検して行きます。
自分が今まで見て来た空冷GPz1100は、過去の転倒履歴などによりこの背骨の
メインパイプが弓なり状に曲がっている個体が多く、毎回ここが気になります。
幸いにもこのベース車は曲がっておらず、良質である事が確認できました。
それでもフレームのレーザー測定と修正ストレッチだけは、事前に必ず行うのが習慣。
江戸川区時代からず~っと付き合ってる神戸の業者に、測定&ストレッチを施工して
貰い、戻ってそこから本格的にスタート・・・
ちなみにその神戸の業者は、自分がサンクチュアリーを創業した1995年頃からの
長い付き合いで、サンクチュアリーのFCグループ店達にも紹介してやってますから
この25年間で かれこれ600~700台は修正してるでしょうな・・・ (;^ ^A
修正が完了したフレームに補強や加工を施すんですが、いつものZ系とは違って
事前の測定や準備に時間を掛けています・・・
クランクケースを一端載せて エンジンマウントをしっかり組み付け、その状態から
重要な部分を測定し記録・・・
過去 RCMー248や356を製作した際に、寸法データ取りをしてはおりますが
あまりにも旧く、念のため この個体でも採寸をしておくべきと判断したためです。
ドライブチェーンライン、いわゆるスプロケットの取り付け面も測定すべき大事な
部分ですが、最も重要なのがスイングアームのピボット部・・・
空冷GPz1100はスイングアームのフレームフィッティング部が 現行バイクの
フロントホイールアクスルの様に基準があって、そこにアスクルシャフトヘッドが
スイングアームピボットを押し込む形でフレーム内に位置決め固定されています。
その為 その辺の寸法を採寸したかったんですが、ベース車のスイングアームが既に
別機種のものに変更されており、それが果たして正確に加工されて取り付けされて
いたのか不安だった事から、フレーム単体で各部を採寸し そこから正しいピボット
寸法を割り出す手法を取った訳なんです。
ピボット部の採寸作業が終わって、ようやくフレーム補強へ移行しました・・・
ワンサイズ 枠が大きくなったGPzのノーマルフレームは、何と言うか・・・
スカスカ? (^ ^;)
タンク裏の複雑な形状や装備されるイグニッションコイルなど、整備性も考慮し
補強を追加します。
最も重要となるリアのエンジンマウント部は、補強メニューの中でも肝心要な所。
ここを効果的で合理的な構造に出来るなら、走行によりエンジンが前後に動いて
しまう問題を解決できるから、かなり重要視している部分・・・
ちなみにGPz1100も、Z1000J/R系の補強と全く同じ内容になります。
GPzが唯一違うのは、最初からピボット上に入れる 左右橋渡しパイプが入っており
そのパイプ補強そのものから入れる必要がない事・・・
既に入っているパイプにワンオフしたコの字アングルを溶接して、クランクケースに
直付けする形でエンジンをマウントしてあげる。
ケースに直付けする事でマウンティングボルトも短くできるから、応力掛かりにくい
しなりに強い合理的な構造となります。
元々の左エンジンマウント、プレスボックス部があるとマウントティングボルトを
通せないのでそこは成形加工して、更に短い専用ボルトもSCM鋼からワンオフで
製作しています。
この補強手法はゼファー1100のノーマルマウントを参考にしたもので、これに
変更してからは 激しい加速・減速を繰り返してもエンジンは殆ど動く事がなくなり
今ではZ1000J/R系 & GPz系RCMの定番フレーム補強になりました。
”旧き良き” の ”旧き” が それが本当に ”良き” なのか、見直しも必要だと感じました。
これにてフレーム完成!
これより小物パーツなどと一緒に、パウダーコーティング工程へと移行されます ♪
久々に空冷GPz1100でのRCM・・・
へたすると最後になるかも知れないだけに、楽しみでもあり 悲しくもあり ( ̄▽ ̄;)
A・Nさ~ん!
間もなく外装ペイントの事前グラフィックデザインが出来上がると思いますので
もう少しだけ お待ち下さいね~!