こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
一年の長期コースにて、全身全霊を注ぎ込まれて製作に臨んでいる特別な1台。
もう1年以上に なっておりますが・・・ (;^ ^A
神奈川県在住 K・K さんの入魂! RCM-519 Z‐1(その6)です!
ずっとバックオーダーだった6速クロスミッションKITが、つい先日一斉に
入荷しまして、このRCM-519も ここまでは腰上を先に組み上げて行く
作戦でしたが、シリンダーヘッドを組み立てている最中にもかかわらず、急遽
腰下セクションを完成させる事に・・・
TW社製の6速クロスミッションは、歯車の材質や強度など超過酷な使用下でも
欠けたり割れたりする事ない 信頼性の高いもの。
でも そのまま組み付けるだけだとギヤドックの噛み合いが甘かったり、あるいは
噛み合って欲しくない所で わずかに噛み合ったりと言った具合になるので、必ず
ギヤ配置のクリアランスシム調整が必要になります。
他にもカワサキ特有の1速から2速に行き過ぎずニュートラルで止まってくれる
ポジティブニュートラルファインダー機構が装備されているんですが、遠心力で
作動する硬球が正確に働いてくれない事が多い為、ストレスフリーで動く様にと
ひと手間加えています。
調整用のシムは工業規格の精密寸法品で、クランクケースの個体差にあわせて
あらゆるポイントに入るのですが、場合によってはこの画像の様に ブッシュの
下に挟むような事もあり 経験やノウハウが問われるところ・・・
ブッシュがズレで オイルライン穴もわずかにズレますから、そこもバーニアに
少加工して対応するなど、意外に色々やっております。
クラッチハウジングのセンターナットを規定トルクで締め、ドライブスプロケの
ナットも同様にしっかり締め込み、インプット&アウトプット両シャフトを本来
組み付けた状態と同じにしてクランクケースも合わせ、全てのシフトフォークに
ストレスが掛かっていないか、スラスト方向のクリアランスは適切か、変則して
どのギヤもドックの噛み合いが理想の状態になっているかなど、確認して終了。
ここまでやらないと、エンジン積んでから後悔するハメになります・・・ (;^^A
最後はおなじみの これ! コウガ店ドライブチェーンラインEVOシステム。
ボルト固定している部分がデュアルベアリングホルダーで、まぁ弟子だから
褒める訳でなく、とにかくこのミッションカバーはガッチガチに強い!
Z系はクランクケース剛性不足が原因でギヤ抜けしている個体も多く、故に
ケース剛性を上げてやる事で対策される効果があります。
このEVOのミッションカバーは ケースとの合わせ面に純正同様のダウエル
ピンを介して取り付けられる為ビシビシで 側面からのホールド剛性アップは
もちろん、ドライブチェーンに横方向から引っ張られようが 戻されようが
とにかく強い!
Zレーサー3号機も、先日のエンジン分解検証時にアウトプットシャフトの
曲がりを測定しましたが 全く曲がってませんでしたので「こりゃ凄い!」と
思ったほど・・・
でも・・・ こういうの いつも書いてて思うんですけどね・・・
本店がコウガ店の製品限界テストをやらされてる気がするんスよ ( ̄▽ ̄;)
ハイカムシャフトを組んで、早速バルブタイミング・・・
接写し損ねましたが、もちろん圧抜き穴ありインナーシムタペットに変更済み。
指定されたバルブタイミングにロブセンターでしっかり合わせれば、完了です。
ヘッドカバーは ホイールのパウダーコーティング色に合わせたイメージでの
結晶塗装を施しました。
う~~~ん、この色・・・ いいですね~~~ (^^♪
カッコいい配色だなと思います!
狙った圧縮比は 11:1で、ハイコンプ仕様が故に このツインプラグは必ず
役に立ってくれる・・・
オーナー K・Kさんも、ツインプラグ化は必要科目と捉えてくれていたので
すんなり採用になりましたが 「ツインプラグって必要なんですか?」と言う
解釈をされてる方も多いのが実情・・・
前にも言いましたが ツインプラグ化はエンジンを守る上で外す事ができない
重要なキーワードなんです。
エンジン コンプリート!
なんですが・・・
唯一まだ、トロコイドローターを用いたハイプレッシャーオイルポンプKITが
全国のバイク屋さんからのバックオーダーに追われて 今も工場に回せる分がなく
止む無くノーマルギヤ式オイルポンプを一端取り付けてオイルパンを閉じました。
トロコイド式オイルポンプも ツインプラグと並んでエンジンを守る重要なパーツ。
年明け2月~3月には数多く入荷して来るので、そこできちんと交換しますから
ご安心下さい!
ここで待望のパーツが到着しました。
いつになっても この手の開封は楽しみ ♪ (不安も半分・・・ (;^ ^A)
出来上がりましたよーっ!!!
K・Kさんが思い描いていた、唐草グラデーションカラー・・・
これは・・・ かなり理想の感じで仕上がってるんじゃ~ないでしょうか!
K・Kさん!
入魂の1台、RCM-519 Z-1・・・
年明け1月に いよいよ完成ですよーっ! (^^)/