こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
サンクチュアリー本店とノーブレスト製品部門ブログとを、行ったり来たりの日々が
続いており、今とても不安です (^_^;)
でもここ二週間程は 週2回ペース位で更新しており、我ながら「頑張ってるなぁ」と
言った心境・・・
少し前に久々RCMクラフトマンシップ車両 RCM-630 CB1100RDの製作を
発表したんですが、発表してわずか10日程で先行売約を頂きました。
たぶんこのRCM-630が 本当に最後のCB1100RDでのRCMになると予想を
しており、そう考えると その製作模様は何とかお見せしたく ”ブログネタ爆発状態” で
も~~~ 手に負えません (;^ ^A
今は山ほどある ”まだご紹介できてないRCMシリーズ” 十数台を、何とかお見せして
”既に納車しちゃってますシリーズ” を 少しでも減らせる様、尽力注ぎたいと思います。
と言う訳で、本題に!
佐賀県 Y・Tさんからオーダー頂きました このマシン・・・
ご紹介しましょう。
RCM-570 Z-1です。
最初はお父さんから譲り受けた、既に所有されていたZ-Ⅱをお預かりして、それを
ベースにとスタートしたんですが、よくよく見ると「あれ?」と 気付いた所があり
急遽 Z-1のベース車をこちらでご用意して仕切り直したと言う、少し遠回りをして
製作が始まりました。
最初に足踏みをしたのは確かですが、その後も待ってるパーツがなかなか来ないなど
予定通りに進める事ができず。
2021年の2月にZ-Ⅱをお預かりし、そのZ-Ⅱを中止して新たにZ-1でやり直しを
したとは言え、ここまで1年3ヵ月と言う とんでもない長い期間が掛かってしまった
事は、もうただただ お詫びするのみで・・・
う~ん、 1年3ヵ月も掛かるとは・・・ さすがに反省しております (-_-;)
エンジンは、ノーブレストの内燃機関部門の活躍から とても順調に進められました。
クランクシャフトの芯だしから始まり、ピストンを少し大きめのサイズに変えるべく
ブロック下穴ボーリング・スリーブ入れ替え・ボーリング、そして精密ホーニングと
一連の流れで仕上がり、バルブガイドもこの時期大量にオーバーサイズものを造って
おいた事からスムーズに入れ替えられ、シートカットまで気持ちよくフィニッシュ。
エンジンは、かなり早い時期に搭載されていたのを憶えてますね。
オイルクーラーは、ナイトロレーシングのKITパッケージで、9インチ13段。
これだけ大型コアのオイルクーラーを装備するとなると、トロコイドローター式の
ハイプレッシャーオイルポンプKITは欠かせないとの事から採用しました。
13段のコア全層にオイルが一斉に流せるトロコイドポンプは、コアの冷却機能を
100%使い切れる事から 油温が平均で5~10度ほど下がります。
排気量アップや圧縮アップなど手を加えたエンジンであれば、トロコイドポンプは
もはや必須アイテムなのだと思わされました。
個性的なカラーリングは、オーナーY・Tさんからのリクエスト!
白状しますが、実は最初 純正のタイガーカラーにしてしまい 頼んだカラーリングと
全然違うと言う事からやり直しをしてます。
沢山の人達と毎日メールや電話でやり取りしていると、たま~にポカをしてしまう
事もありまして、この点も深~く反省しておりまして・・・
Y・Tさん、やきもきさせてしまって申し訳ありませんでした <(_ _)>
本当はハーフカウルを装備する予定で始まったんですが、パーツが揃わずで・・・
ヘッドライトに隠れて見えませんが、フレームヘッドパイプにはアッパーカウルの
ステーを取り付け出来るマウントが溶接されています。
また ダウンチューブ左右側面にも、ネジ穴を開けたボスがそれぞれ溶接されており
カウルステーを3点留め固定できる状態になってますから、いつの日か作業の続きを
再開できるといいですね。
足回りは、RCM十八番の前後17インチホイールシャシーで構成。
17インチ化にあわせて、サンクチュアリーオリジナルフレーム補強 STAGE-Ⅱと
295mmのワイドスパンレイダウン加工、ドライブチェーンラインオフセット対応
インライン処理と、タイヤのサイズが変わる事で必要となるフレーム加工をしっかり
施しています。
180サイズのリアタイヤ化は、見た目ほど簡単にフィティングできるものではなく
そこにはいくつかのノウハウと加工技術があって、始めて成り立っているもの・・・
この基礎工事的な加工が精度よく施される事で 正しいアライメントを追求できるし
果ては車体姿勢 ディメンションにまで影響を及ぼしますから、走行性能・運動性能と
言った、犠牲にしてはならない重要な部分の造り込みでもある訳なんです。
数多くの加工を積み上げて完成する、RCM・・・
冒頭でお話したCB1100RDもそうですが、主流たる ”空冷Z系RCM” こそ
もはや絶滅危惧種になりつつあります。
サンクチュアリーに残された安価なベース車在庫は、ここ2~3年もの凄い勢いで
在庫数が激減し、無くなった訳ではないものの カウントダウンに入ったのは間違い
ありません。
今や世界中で個体数が減少した空冷Z系車両ですが、最近では信じがたい ”円安” から
もう探す事すら放棄しました。
先日もRCM USAから、すごく良い車両を数台見つけたと連絡があったんですが
今の為替レートで買うと「えっ!?」と言う 信じがたい値段になってしまう・・・
仮に車両が見つかっても手が出ないと言う、本当に最悪のサイクルに入ってまして
Z-1もこの円安が収まるまでは1台も仕入れ出来ません。
この ”円安” がいつ収まるのか予想も出来ませんが、空冷Z系車両はヨーロッパや
オーストラリアでも人気が高く、”円” 以外の国に引かれてしまうかも知れませんね。
Y・Tさん、予定してたお父さんのZ-Ⅱベースではありませんが、それでもこうして
ベストコンディション化されたRCM Z-1を手に出来るのは間もなく終わりますから
絶対に良かったと思いますよ。
唯一 申し訳なかったのは何度も言いますが、1年3ヵ月も掛かった事かなぁ (;^_^A
製作に時間は掛かりましたが、RCM-570 Z-1・・・
間もなくオーナーの元へと届く事でしょう。
Y・Tさ~ん、 乗ってみたらRCMの動性能に感動して頂けると思いますよ~!
かなり 楽しいはずですから (^^)/