こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
神奈川県在住 Y・Hさんの、RCM-514 Z1100GP(その3)です。
何を溶接しているかと言うと、実はサイドスタンドのブラケットを一端外し
パイプの円周上に角度を1~2度回して再溶接をしています・・・
あまり回しすぎるとスタンドの座りが悪くなるんで、やりすぎは注意ですが。
実はオーナーのY・Hさん、なるべく低めのステップ位置を希望されており
この後ステップのマウントボスを低い位置に溶接するんですが、そうなると
左ステップペダルとサイドスタンドとが相当近くなって、シフトアップ時に
サイドスタンドが邪魔で左足先がペダルの下に入れずらくなる・・・
それを防ぐ為 あらかじめスタンドを若干中に入れていると言う訳なんです。
Z1000J/R系フレームには意外にも様々のノウハウが求められるので
事前に加工しておくと後々「よかった」って感じるものなんですわ (^^)
フレームの補強・ドライブチェーンのインライン処理・ワイドレイダウンと
大掛かりな加工は全て終わっていますが、ここからの細部加工が意外にも
あって、それらを進めるべく タンクなど外装パーツを仮り付けしました。
RCM-514に使用するステムKITは、今回のSCULPTURE製の
ZEPHYR1100用・・・
ステムシャフトがZ1000J/R系と同じ寸法で、当然ステムベアリングも
同規格品な事から流用が容易です。
SCULPTURE製のステアリングストッパーは丸型ではなく、面であたる
ブロック式を採用しており 点接触ではなく面接触しているのが利点・・・
でも言い換えるならば、点接触ならごまかせていたストッパーのあたり方も
面接触だと角度がピッタリ合うのか そこら辺が不確定な要素だったんですが
ステムベアリングが同規格と言う事はヘッドパイプ外周寸法もほぼ同寸な訳で
フレーム側にある扇形のステーと相性が良く 気持ちよくピッタリなんです ♪
左右ストッパーを利かせた所で用意しておいた純正新品メインキーを取り付け
集中型ハンドルロックが掛かる様に ステアリングヘッド側に設けられている
ブラケットをわずかにすり合わせ・・・
これで左右どちらでもハンドルロックが掛かる状態になりました (^_-)-☆
もちろんハンドルを切った際にタンクとインナーチューブが接触していないか
クリアランスがある事を確認してステアリングヘッド回りの加工は終了です!
ここでようやく、先ほどのステップマウントボスを溶接・・・
ここまでやったならバックステップKITも好きなデザインのものをと
今回はナイトロレ-シング製のZRX1200用を使用する事になり、
ZRX用の取り付けピッチにて溶接しました。
これでフレームの加工は全て完了・・・
オフセットされたドライブチェーンの通過軌道を確保するインライン処理は
ナロータイプのEK530RCMチェーン使用限定時で、車体センターから
105mmの位置までオフセットさせても干渉しません。
Z1000J/R系フレームの補強とは エンジンマウントの補強に尽きる・・・
最終的には左のノーマルエンジンマウント部を切除してボックス状へと加工し
追加した新しいブラケットにより短いマウントボルトを使用出できる事になった
事から 最大の弱点であった後部マウント部を大きく対策できました。
左のエンジンマウントカラーをパイプで支える形にして 溶接する手法ではなく
ゼファー1100のマウントと同じこの構造にしてからは はっきり実感できる
効果があって、飛躍的な改善を果たしたんです。
急激な加速と減速の繰り返しからドライブチェーンにより後ろに引っ張られる
Z1000J/R系のエンジン・・・
Z1100GPでもこの現象は全く同様に起こるため、このエンジンの動きを
抑制せずにメインフレーム側に補強を施すと言う考えはあらずですね。
完成したフレームは、このあと早速パウダーコーティングに送られました。
戻って来るのは5月後半かと思いますので、車体の立ち上げは月末位からに
なりますかね・・・
Y・Hさ~ん!
少しインターバル入りますが、次からはより面白くなって行くとこなんで
楽しみにお待ち下さいねーっ! (^^)/
ちなみに次回からは再び新規シリーズに戻って、Z‐1・MK‐Ⅱ・Z1‐R
またNinjaや CB1100Fと言ったレア系機種など、少し前に新しく
オーダーを頂いたRCMのご紹介を始めたいと思います。
ブログでのご紹介、皆さん長らくお待たせしており申し訳ありませんでした。
順を追ってお見せしますから、もうちょっと待っててね (;^ ^A