こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
サンクチュアリー本店&福岡店 (株)ノーブレストでは毎年休日が増えており
週の交代制定休日以外で導入した毎月第2&第4木曜の完全休業日もようやく
定着して来ました。
自分は出張や外出仕事などを定休日にあてる悪習慣?があり、それは今だに
続いてますが、それでも何とか週二日に近いペースでは休めているのかな?と
歳を取ったせいか、昔みたく元旦だけ休んで正月返上で仕事しっぱなしなんて
むりむり・・・ (;^_^A
あの頃の、自分のそんな無茶があったからこその今なのかとも思いましたが
むりむり・・・(;^_^A
と言う訳で 本日25日木曜日、サンクチュアリー本店は完全休業日。
ご不便おかけしますが、お問い合わせなど26日(金曜)以降で お願いします。
それでは本題!
画像多めの長編にてご紹介しましょう。
【新型レイダウン治具 稼働してます】です!
これがタイトルにあった 新型レイダウン治具。
旧型レイダウン治具は、本店がまだ江戸川区にあった時代の2000年頃。
「レイダウンは専用治具が無いと正確な作業ができない!」と言う見解から
自前で製作しましたが、当時は今ほど見識がなく「これなら何とか使える」
と言う、まだそんな水準の治具でした。
この新型になる前の旧型治具で軽く600台を超える台数のレイダウン加工を
熟して来ましたから旧型に愛着はありましたが、さすがに老朽化が酷く・・・
思いきって新型を製作。
新型と言うからには旧型を越える機能を求めており、今の見識で造られたもの。
テーマは【取り付けたマス枠の90度精度】と【不要な部分を省いた軽さ】で
加工精度と整備性に拘った構造になってます。
締め付けてるブラケットは六面加工済みのSS400材プレシジョンプレートを
元にNC加工したもの・・・
この画像の部分は後ほど説明しますが、新型治具最大の特徴とも言える所です。
材料は元々の金属の塊だとそれぞれの面が正しく出ておらず、必ずしも90度を
守れているキューブではないので六面全てを刃物で引いて90度でのキューブに
加工する必要があるんですが、プレシジョンプレートは既にその工程を施されて
販売されてる規格材で、サンクチュアリー本店では割と使用頻度が高いんですわ。
この図面は穴あけ加工を行うアダプターを取り付ける為のメインブラケット部。
材質はジュラルミンA2017Sで、アダプター部のネジ山強度を確保するべく
ハードアルマイト処理されている部品。
図面はもちろん、社内でCAD作図したもの。
自社部品もそうですが、できるだけ社内で測定して図面化するが基本理念です。
従来からのテーパーヘッドボルトを応用した芯出し機能も 左右を合わせる為の
構造として残してますが、この芯出し性だけだと実は精度が曖昧・・・
テーパーネジの芯出しをアテにするのではなく、プレシジョンプレート端部を
コの字型に切削したバイパスブラケットを用いて面と面を合わせ、左右を同じ
位置に端整させる構造へと改良しました。
実際 取り付けて見て、ネジを締め込んだ際の治具の僅かな動き方が明らかに
違っており「こりゃ完璧だ」と言う手応えを感じたほど。
治具のセットが完了しました。
いいですね・・・
取り付けてみて、より左右の精度がしっかり守れそうな感触がありましたから。
最初に登場するのが、M6ネジ先を旋盤でテーパー状にしたセンターポンチ。
このポンチを打つ為のアダプターは最後にレイダウンブッシュを固定溶接する
ものでもあり、共用しています。
ポンチを打ったら、キリ(ドリルの刃)専用アダプターの出番。
画像向かって左から、M6キリ用、M8キリ用、M10キリ用と3種類あり
アダプターの上下にボールベアリングが圧入されていてキリを振れる事なく
導く構造になってます。
この辺りの構造は、旧型レイダウン治具と同じですね。
トップバッターはM6のキリで、切削オイルで注油しながら穴あけ開始。
この時、シートレールパイプの外側は狙った位置に穴が開きますが、その下の
パイプ裏側の穴開けはわずかに位置がスライドし易い傾向にあるので、焦らず
穴を合わせる様に意識して貫きます。
6mmの下穴が貫通したら 次は8mmキリ用アダプターに変更。
このアダプター自体はスチール製で、ハンドドリルがガツンと底づきしても
変形しにくい頑丈なもの。
錆防止目的で施された淡い金色の表面処理はクロメートメッキと言います。
M8のキリで穴径を拡大。
φ8の下穴が空いたら今度はM10のアダプターに替えてφ10穴に拡大。
こんな風に少しづつ拡大してるのはキリが相手に負けてそれる事を防ぐため。
精度の高い下穴あけが終ったら、最初にポンチを打ったアダプターに戻って
そこにレイダウンブッシュを挿入し、治具に固定したまま溶接を行うんです。
アダプターで固定したままブッシュ溶接が全部できてしまうのも新型治具の
優れた利点・・・
画像変わって、こちらはカタナのレイダウンブッシュ溶接・・・
こんな風に最後まで治具を外す事なくレイダウンの溶接がフィニッシュできる。
随分 やり易くなりましたよ (^_-)-☆
フレーム補強にも専用治具は必要ですが、リアサスレイダウン加工ともなると
治具無しできちんとした加工は絶対に不可能です。
趣味なら別でしょうけど、自分達はお客様から代金を貰って仕事をしてますから
「精度よい加工を提供してなんぼ」と言うスタイルを崩したくないんです。
ちなみにこのカタナ・・・
凄いRCMになると思います。
これも近くブログでご紹介しますから、是非お楽しみに ♪