こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
さぁ、 めげずに負けずに ブログ更新に勤しみますよっ! (^_^;)
まだご紹介できてないRCMシリーズ!
遠き南方よりご依頼を頂きました、H・NさんのRCM-641 Z-1です!
今回はオーナーH・Nさんが所有されてたベースをお持ち込み頂き、RCMとして
製作をするもの。
エンジンやフレームなど、H・Nさん自身もコンディションを把握できておられず
それなら先ずは現状チェックからと、エンジンのヘッドカバーを開けてみたら早速
違和感が・・・
WEBのハイカムに変更されてはいるけど、カムスプロケットがノーマルだから
バルブタイミングはタイミングホイールで設定しておらずカムチェーンのコマ数
合わせになっているかと。
それを前提として、上死点でのエキゾースト側は問題なかったんですが・・・
インテーク側のカム山は あきらかに進角してる?
あれ?と思い、カムチェーンのコマ数を数えたら やはり一コマずれていたので
H・Nさんの前のオーナーさんは気が付かずに乗られていたんでしょうね。
タイミングがずれていても気づかずに走れてしまう・・・
おそるべし 空冷Z (;^ ^A
ヘッドはエキゾーストスタッド植え込みのネジ山が複数ダメになっておりました。
これはガンコート塗装が仕上がってから修復する事に・・・
バルブフェイス径を測るとビッグバルブになっておりました。
なるほど・・・ もしかしてと
全長を図ったら やはり短い・・・ ( ̄▽ ̄;)
これはおそらくZ1000J/R系の純正バルブですね。
と言う事は・・・
バルブ長が短い分 燃焼室側シートリングをカットして追い込み、セット長を
合わせていました。
短いバルブを使うと こうせざるを得なく、結果 バルブフェイスが潜り込んで
圧縮は大きく落ちるわ、オーバーラップ時の充填効率は落ちるわで、せっかく
ビッグバルブ化してるのに効果が乏しくなってしまう訳なんです。
深くカットしてしまったシートリングは シートリングそのものを替えないと
元に戻せませんから、早速ディンクスがシートリングの段取りに入りました。
どれどれ ピストンは?
なるほど、φ70ですか・・・
攻撃的なトップボリュームのピストンですが、おそらくワイセコ製でしょう。
よくディンクスでピストン精度の話題が出るんですが、実はこのワイセコ製
個々の精度が揃っていると言う点において優秀なピストンなんです。
意外と思われたかも知れませんが、年間何十台・・・ いや、何百台分もの
シリンダーホーニングを熟していると自ずとピストンメーカーの良しあしが
判別できるんですが、ワイセコは寸法精度においては優秀なんですよね。
でも、シリンダースリーブの肉厚は限界値より薄くボーリングされてました。
これはZ-1のノーマルスリーブをボーリングだけして使用してたからですね。
相当な昔、それこそ30年位前はよく見かけたんですが、スリーブの肉厚は
薄くても2mmキープすべしで、今ではZ-1のノーマルスリーブにφ70の
ピストンを採用する際は必ずオーバーサイズスリーブに交換しているんです。
今回は良い機会なのでスリーブ交換する運びに。
これよりエンジンは耐熱ガンコート塗装工程へと移行します。
これまた良い機会なので、ちょっとしたフィンの欠損部なども直しておく事に。
こうしてエンジンが旅に出ている間、車体の方を進めておきましょう。
まだスイングアームやホイールが仮組みものですが、既に立ち上がってますね。
そう、このRCM-641は前後18インチホイールシャシーの仕様なんです。
溶接中の画像を撮り損ねましたが、Z-1のフレーム補強で最も重要と言える
ヘッドパイプ下 ”通称アゴ下” のパイプ補強もご覧の通りバッチリ!(^_-)-☆
非力なノーマルエンジンでもこの補強が無いとノーマルのアゴ下ガセット部に
クラックが入りますから、ここの補強は絶対に欠かせません。
ダウンチューブ下のエンジンマウント付近までパイプが伸びて溶接されており
自分の店で施工した補強ながら(う~ん、良い仕上がりだ)と満足 (^ ^ゞ
シリアルナンバー RCM-641 Z-1
最近の中古車市場の傾向なんですが、MK-ⅡよりもZ-1の方が高額化しており
Z-1は やたらと手に入らなくなって来てるんですよね。
どうしてこう相場価格が変動するのか? サッパリわかりません (;^ ^A?
「結局Z-1は強かった」って事なのかな~?
H・Nさ~ん!
おそらくは暫く寝かしていたZ-1だった事かと察しています。
分解されたまま保管され、時を経ていよいよ計画実行と言った所でしょう。
ご期待に応える仕事をしてみせますので、楽しみにお待ち下さいね~!(^^)/