こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
北は北海道 南は九州・沖縄と、お陰様で日本各地 遠方からもオーダーを頂いて
おります サンクチュアリーのRCM・・・
北はオランダ・イギリス、南はオーストラリアからなんて とんでもない遠方例も
過去ありましたが、それはさておき・・・ (^^;)
ベース車からご用意して製作するのではなく、既に所有されてる車両を預かって
RCM化すると言うパターンも意外に多く、その場合 何と言っても往復の陸送が
ポイントで 遠方となると尚更そこが重要になって来ます。
でもその陸送が簡単 かつ安価で出来る様になった今では、以前の様に悩む事が
少なくなり、ベース車が高騰してる事も手伝って ここ1~2年はお持ち込み車の
割合がとても増えました。
今回ご紹介する車両も、そんな遠方より送られて来たお持ち込みでのRCM・・・
鹿児島県在住 K・Mさんの、RCM-539 MK‐Ⅱです!
配送されて来たK・Mさんの KZ1000MK‐Ⅱ・・・
既に一部カスタムされておりましたが、トータルでの造り込み&リフレッシュを
ご希望されており、RCMとして新生させるプロジェクトへと至りました。
スピードメーターがマイル計ですから、実際には×1.6で 走行は約48300km。
必ずしもメーター表示がピッタリ正確と言う訳ではなく 過去にメーターケーブルが
切れて積算されていない走行距離分もあるかも知れませんから、実際にはもう少し
走っているのではないかと推定します。
最もこの車両がまだ海外にあった頃に、どこかでオーバーホールを施されたと言う
可能性も否定できませんが、そこは推測しても仕方のないところ・・・
少なくとも見た目は、それなりですよね?・・・
仮にオーバーホールされていたとしても、その仕事の精度が果たしてどうなのか
疑問が残るところですから、ここは現代の良質パーツを用いた最新の技術による
オーバーホールをきちんと施しておきます。
全分解してフルガンコート塗装されたRCMエンジンは、グッと来ますよ!(^^)/
車体も全分解しながら、さりげなく各部をチェック・・・
再使用するリアサスの状態、電装系はどうか、燃料タンク内部の錆の回り具合など
細かく点検しながらの分解になるので 意外に時間がかかるもの。
特にフレームは見ただけではわかりにくいので、専用設備に載せないと判断できず。
この車両も過去の修正歴がわからないと言う事からレーザー測定しておきましょうと
なりまして、ここからのスタートとなったんですが・・・
これも跨って左に大きく振れていました・・・
これだけ左振れが多いと、過去の転倒歴によるものとかではなく 何か癖と言うか
自分もまだ知らない根本的な原因があるのかも知れません。
とにかく、いずれにしても見ておいて良かった! (;^ω^)
この修正中画像は最後にK・Mさんにさし上げますので、じっくり見て頂ければと
思います。
その頃・・・
気が付いたらエンジン腰上が分解されていたので、またかいーっ!(# ゚Д゚) っと
注意しましたが、全く持ってこたえておらず・・・(我撃沈)
まぁでも、こういうスタート作業をトントン進める事自体は とても良い事なので
そこは よしよしヾ(・ω・`)
当然ですがエンジンも分解しながら 各部をチェックしています。
シリンダースタッドボルトやダウエルピンと言った、植え込み&軽圧入部品を
取り除くのも ものによっては苦労する個体もあります・・・
またクランクケースのメインベアリングホルダーピン周辺にクラックが走って
いるものも時折あって、そこの修正はかなり大変なんですが、K・Mさんの
ケースは至って健全、健康なコンディションでした・・・
なんですが!・・・
クランクシャフトだけはコンロッド大端部ベアリングにゴリゴリとした動きがあり
これはスルー出来るレベルではないと判断・・・
この画像はそのクランクシャフトをフルリビルドしたものです。
並んでいるのは交換したベアリング・・・
手前の4個がコンロッド大端部ベアリングで、奥の6個がメインベアリングです。
数年前からこのベアリング交換フルリビルド作業は増えた様に感じますね・・・
何ですかね・・・ やたら状態の悪いクランクが目立って来てる様に思います。
同じベアリングクランクでも1100カタナのクランクは、ベアリングに関して
言えば それ程ダメージがない様に思えます・・・
1979年のMK‐Ⅱと、1980年代前半の1100カタナ・・・
ほんの少しカタナの方が年式が新しいとは言え 僅か数年の差だし、むしろ馬力が
出てるのはカタナの方で クランクへの負担はMK‐Ⅱよりも大きかったはず・・・
空冷Zのクランクベアリングの方が酷く、カタナの方が状態良いものが多いのが
なぜかは不明ですが、色んな条件が重なった上での現在の結果なんでしょうね。
とにかくこのフルリビルドクランクは とても良いもの・・・ ♪
分解してコンロッド大端部の内側が荒れていたり、クランクピンジャーナルに
段付き摩耗などが見られた場合は ストックしてある状態良いクランクパーツの
中から必要な部位を見つけて 交換する事もあります・・・
はっきり言えるのは 位相ズレも含めてフルリビルドされたクランクは、とても
静かに回り、低振動であると言う事・・・
最近のRCMでは5台に1台位のペースで、このフルリビルドを施工してます。
そして・・・
測定&ストレッチから戻って来たフレームの加工が開始されました!
今回は完全に エンジン先行ペースで進んでますわ・・・
鹿児島のK・Mさ~ん!
ブログでのご紹介が遅くなりまして、申し訳ありませんでした~っ! <(_ _)>
9月末完成目指して進行してますので、ご安心下さいねーっ!!