こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
”がむしゃら” と言う言葉・・・ 自分、 今たぶん そんなんです。
休日? 家族? 真夜中? 睡眠? 休養?
フ・・・ そんな垣根はありません。
あまり関係ないかも知れませんが、自分は今 齢55歳で今年56歳・・・
これまで同様のペースを取り戻すべく、とても荒々しく 獣の様にけたたましく
真夜中でも、パチパチ パチパチ パチパチ パチパチ パチパチ パチパチ パチパチ
右のマグナムっ! 左に宿るファントムっ!
すみません
本題に入ります
RCMー499 KZ900のオーナーである、神奈川県在住の H・Mさんから
新たに2台目を製作したいと承りました、RCMー568(その3)です!
このRCM-568では、エンジンに最新鋭のアイテムを導入しようと 精力的な
コースを選択されたオーナーのH・Mさん。
かつてZレーサーNew1号機、そしてもちろん3号機レーサーでも採用している
5.5mmステム径の特別製ビッグバルブを使う事になり、それに見合った吸排気
ポートにすべきと拡大研磨加工を施工・・・
このヘッドは 最近では久々のガッツリ系メニューを施すんですが、カム&バルブの
スペックにマッチングさせたポートにしようと刃物で目いっぱい拡大しています。
本当はZ1000J系ヘッドにコンバート出来ると最初からポート径が大きいので
それを更に拡大研磨すればパワーフィールはバツグンなんですが、今回はZ1-Rの
KZヘッドにて追求しています。
刃物で削って形状を変更しつつ拡大し、フラップホイールでペーパー目仕上げまで
出来あがったら その後は社内研磨部門の菊地に引継ぎ・・・
サンクチュアリーでは ”削り” と ”磨き” は別の仕事と認識しており、こういう専門
加工業務は それぞれの部門に先任者がいて仕上げて行くシステムを構築しています。
吸排気ポートと燃焼室、全て鏡面仕上げにしました。
この後5.5mmステム径の特製ビッグバルブと専用バルブガイドが出来上がれば
シリンダーヘッドの精密加工に移行できます。
混合気の流入と排気ガスの排出、この2つを高効率化させるにはカムやバルブの
スペックはもちろん それにマッチングした通路は欠かせません。
フロー性能の向上も最後に重要なのはやはりバランスだったと、そう感じてます。
6速クロスミッションも特有のコツと言うか、ノウハウがないと上手く組めません。
シーケンシャルのトランスミッションは、各スライドギヤをストレスフリーで作動
させられる事が重要で、シフトドラムの溝形状と相まって操作のタッチが決まるん
ですが、初期の段階からなじんで行く事で軽いタッチになる事も多く、なじみ易い
様に最初から面取りを行って部分的に磨くなど、効果的な作業を施しておくんです。
ここからは組み込みなんですが、いや~ エンジン作業室 混んでますねぇ・・・
空冷ZやNinja、ゼファーやZRX系など、毎月平均で7~8機のエンジン
フルオーバーホールが行われていますからエンジン作業台は常に一杯で、最近は
メカニック達が複数人、終日こもりっきりなんて事も日常化しています (^ ^;)
これより、RCM-568 Z1-Rのエンジン 組み立て開始。
ロングアウトプットシャフト採用の、ドライブチェーンラインEVOシステムで
6速クロスを組み付けているんですが、さすがにいつものノーマルミッションで
施している調整作業の倍以上 時間が掛かるもの・・・
ケースを合わせて全速シフト作動を試み、ドックの噛み合い深さやシフト操作の
フィーリングなど、シーケンシャルトランスミッションの繋がり方を確認・・・
ギヤのドックそのものは最初から逆テーパー角付き、抜け防止形状になっていて
Zレーサー3号機でもテストしてますが、150馬力以上のパワーで シフターを
駆使して乱暴に引っ張り切ってもビクともしないもの・・・
唯一シフトドラムだけが一度トラブル出ましたが、そこも材質が見直された様で
信頼度は相当増していますね。
難点なのが このギヤのスラスト方向セット位置調整で、Z系に関してはノーマル
ミッションでも行っている精密シムでの調整を、この6速クロスでは輪をかけて
より しっかり作業をしてやる必要があります・・・
シックネスゲージで各部のクリアランスを測定し、適切な数値になったとしても
またケースを合わせて変速操作を確認するの繰り返しですから、ノーマルよりも
ずっと時間が掛かるんです。
測定しては シム調整をして、ケースを合わせてシフトドラムを回し試操する・・・
納得が行く状態に出来たようで、これで終了ですね!
クランクケースを本組みした後は、もちろん このパーツの出番・・・
トロコイドローター式 ハイプレッシャーオイルポンプKITを組み付けます。
このオイルポンプ、もうこちらからお勧めしなくても皆さん絶対にリクエストして
来るんですが、相変わらず日本全国ショップさん達からのご注文が沢山入っており
サンクチュアリーの工場に回せる分が常に限定的。
ほんとに・・・ すんごくありがたい悲鳴を上げてます (;^_^A
チューニングしたエンジンのZならば、オイルクーラーの装着は確実でしょうし
そのオイルクーラーコアの全層にオイルを満充填できるのがトロコイドの魅力 ♪
ちなみに高回転まで回した時の最大油圧は GPz1100のノーマルギヤ式と
同じ数値で、そのデーター検証結果などもまたどこかでご紹介します。
この辺の低い回転域 もしくは激しい減速でのエンブレ時で、もう少しだけ油圧が
欲しいんだよなぁ・・・ なんて言う
そういう理想循環が実現できているとだけ、今はお伝えしておきましょう (^^)
実はH・Mさん、RCM-499 KZ900から2台目となるこのRCM-568
Z1-Rをオーダーされ、このRCM-568がまだ完成していないにも関わらず
更に新たなRCM Z-1をオーダーされまして・・・
3台目のZ-1は趣向を変えて、前後18インチホイール仕様のクラシック路線で
最新スペックの17インチ角Zと アンティークな18インチ丸ZのRCM2台を
同時進行で製作する事になりました。
いやいや、すごすぎ・・・
あれ? でも、そういうオーナーさん 最近他にも結構いるな・・・ (;^_^A
これからそう言う2台目 3台目とかのRCMで、前車とコンセプトが異なる仕様の
車両製作を、まだご紹介できてないシリーズでお見せして行きたいと思います。
H・Mさ~ん!
3台目のZ-1も、フレーム測定&修正 ならびに エンジン耐熱ガンコート塗装から
始めておりますから、近くシリアルナンバー 決めますよ~っ!