こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
ホームページのRCMクラフトマンシップが「なかなか出てこないな~」なんて
思っておられる方達が多い事かと思います。
それもそのはず・・・
空冷Zを始めとする旧車の世界的枯渇でベース車価格が高騰したのもありますが
ここ2~3年のサンクチュアリー本店の忙しさと来たら、もう訳わからん状況で
いくらか余裕がある時に製作して来たクラフトマンシップを造る暇がない・・・
これが本当のところです・・・ ( ̄▽ ̄;)
で 今年の春、たまたま入手できたCB1100RDがあり、普通に中古車として
販売しようかと思ったんですが、納車後に多発する故障やトラブルを想像すると
(しっかりRCMとして製作し販売した方が絶対に安心だな~)となりまして
久々RCMクラフトマンシップとしての新規製作車情報をホームページに公開!
したんですが・・・
問合せ多数の上で、すぐに千葉県在住のT・Mさんが躊躇いも無くご購入されて
アッと言う間にSOLDOUTに (・・;)
1年以上の時間を掛けて製作する【超長期製作車】として ご案内してましたから
シリアルナンバーも少し先のRCM-630にしていたんですけど、いざ売れると
今度はのんびりやってる訳にも行かず、かなり自業自得状態に・・・ (;^ ^A
今の自分ですと、次はいつ ブログでお見せ出来るか不安なので、今回思い切って
画像多数でご紹介したいと思います。
シリアルナンバーこそRCM-630と結構先の番号ですが、スタートをしたのは
今年の5月と実は半年ほど時間が経って これが初めてのご紹介になります。
ベース車は御覧の通り、程度の良いCB1100RDでしたが、いやいや・・・
このまましっかり整備してやればなんて、中々そう上手く行かないものでしてね。
CB-F/Rシリーズは、も~ とにかく【パーツ欠品】との戦い・・・
このメーター回りやハンドル上のパーツなど、純正部品が永久欠品になっている
ものばかりで、ひとたび壊れたら新品に交換できない塊みたいな存在なんです。
ベンチレーテッドFディスクやキャリパーなど、消耗し切ったらもう終わり・・・
フロントフォークも複雑な機構のあるものは、部品調達できないとオーバーホール
難易度が高くなるので、とにかく【部品ありき】になるんです。
キャブレターも内部パーツがダメになってたら、それらの入手は厳しいなぁ・・・
ノーマルの旧車は、実は一番お金が掛かるものなんですよね。
置物としてコレクションを楽しんでいる方ならいいんですが、常に元気にガンガン
走る人なんかだと これまた維持が大変・・・ (^ ^;)
RCMは基本、走る人向きに製作しているので「これからも元気いっぱい」走って
欲しいと想いを込めて臨みます。
とにもかくにも、先ずは分解から・・・
外装パーツを外すと、そのマシンの本当のコンディションが見えて来るもの・・・
電装系はやっぱりと言いますか、たっぷり40年以上経過した感がありますねぇ~
最大の難関であるエンジン・・・
オーバーホールの完成度は 精密内燃機加工は言うに及ばず、内部樹脂系パーツや
高張力のボルト、そしてトランスミッションやクラッチハウジング、メタルなど
他機種の流用が効かない専用設計パーツが消耗し切っているのに 交換できないと
どうにもお手上げと言う結末になります。
いや~・・・ 恐いな~・・・ (;゚Д゚)
「何とかしてみせる!」と、果敢に挑みます!
ちなみにCB1100Rに限らず、CB-Fシリーズは皆 同じ悩みを抱えてます。
これがZ系ですと、リプロパーツやアフターパーツなど何とかなる事が多いので
だいぶ難易度が違うんですわ・・・
どのRCMも全てそうですが、取っ掛かりはフレームレーザー測定から始まります。
そして、絶対と言えるほど ほぼ9割以上のフレームはヘッドパイプが振れていたり
シートレールが寄れていたりします。
しっかりストレッチして、ピシッとさせてからフレーム加工に入る・・・
もうRCMのセオリーとも言える工程で、これ、絶対にやっておくべきなんです。
フレーム補強は、前後にSTKM13Cシームレスパイプを2本、メインレールと
アンダーチューブの接続部位にSS400材のシングルガセットプレートを追加し
シートレールにはバーリングホール加工したシングルガセットプレートを各コーナー
アングルに入れて、ピボット後部には同じくバーリング加工したガセットのモナカ
合わせ材を それぞれ左右に施しました。
ステアリングステムもCB対応に加工したものが準備済みで、一端組付けをして
左右ストッパーの切れ角を微調整・・・
この時点でステアリングロックもきちんと効くよう、塗装前に全ての加工を終了。
最も特徴的なのが このリアサスのレイダウン加工で、サンクチュアリーのCB系
RCMはどれもこの手法を取っています。
レイダウン治具を用いてハンドメイドで造るのですが、位置や角度 そして幅など
シンメトリーの精度に拘った仕上がり。
もちろん、ワイドスイングアームに対応した295mm基準の幅とし、リアサスを
取り付けてもシングルシートに干渉したりしない寸法で加工すると言う、工作技の
センスを必要とするハードルの高い加工です。
本店に在籍する熟練メカ達でも 最低丸1日は費やすため、もはや鍛錬? (^ ^;)
こうして加工が終了したフレーム・・・
少し前に赤でパウダーコートされて、すでに車体の立ち上げに入っております ♪
ここまで画像は撮っていたものの、中村が激務に追われ お見せする機会を作れず
今回ようやくご紹介が出来ました。
CB1100RでのRCM・・・ 特にクラフトマンシップと言うケースでは
このRCM-630が、もしかしたら本当に最後の1台になるかも知れません。
T・Mさん
1年以上と言う、非常に長い長~い製作期間となりますが、少しづつ進んでおり
ますので ご期待下さい <(_ _)>