こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
今年になってから納車されたRCMが何台もありますが、それでも現状18台の
RCMが製作されており、とにかく目まぐるしい日々が続いております。
現在製作が進むRCMは、Ninja・カタナ・CB‐F・ZRXが3割程を占め
残り7割は空冷Z系と言う割り合い・・・
Z系車両の枯渇は悪化する一方なのに、Z系RCMのリクエストが切れる事無く
入って来てまして、ベース車確保の方も それこそ大変な状況なんです。
特にMK‐Ⅱは 一早くカウントダウンに入った事もあってか、MK‐Ⅱでの製作依頼
比率が高く、昨年後半から年明けにかけ探しに探し回りました。
アメリカ ロサンゼルスのRCM USA Incでも 広大な西側エリアで一生懸命
探してくれましたが、今回も僅かばかりの台数 仕入れられたのが精一杯・・・
「とにかくない! Z‐1やZ1‐Rだってない!」 と 言ってましたね ( ̄▽ ̄;)
時の流れが、ま~ 早い事 早い事・・・ (;^ ^A
奈良県在住 H・Tさんの、RCM-522 KZ1000MK-Ⅱです!
フレームはストレッチも終わり、既に補強やレイダウン等 RCMフレームの
メニューを全て完了しています。
オーナーの H・Tさんは、とにかく距離を乗られる方・・・
4サイクルエンジンのオーバーホール目安となる4万キロなんて それこそ
アッと言う間に走り切ってしまいそうな勢いの方なので、車体もエンジンも
それ相応に造り込まねばと対峙しました。
足回りは17インチホイール仕様で、サンクチュアリーオリジナルフレーム補強
ステージⅡを施工・・・
ノーマルとはもう比べ物にならない程 足回りの性能が激変しますから、要となる
フレームにもバランス良い 精度の高い補強を施します。
補強箇所だけ数えるなら、MK‐Ⅱの様なダウンチューブ二重管の場合においては
8ヵ所で、よほど過激な走りでもしない限り8ヵ所以上は過剰補強と捉えてます。
リアサスのレイダウンも ブッシュはサンクチュアリーオリジナルのもの。
下穴を開けてブッシュを貫通させ、しっかり溶接で固定するのが原則・・・
レイダウンはあまり傾斜角度を強くさせすぎないのがポイントで、レール側
純正アングル溶接がある部分に穴開けをするんですが、溶接ビードが硬くて
穴が開けずらく、ついついレールのパイプ部に穴を開けがちですが それだと
リアサス角度がきつくなりすぎなので、実はNG・・・
バイクのフレーム加工でミリ単位を軽視するのは、絶対ダメな事なんです。
センタースタンドの取り付けブラケット部は、右側のみを切除・・・
このセンタースタンドブラケット、手にしてみると意外に重いのがわかって
これだけでもしっかり軽量化に貢献できている。
ちなみに左側ブラケットは サンクチュアリーオリジナルのドライブチェーン
ローラースライダーKITを取り付けする為に残してあります。
ノーマルのドライブチェーンライン、すなわち 前後スプロケットの取り付け面は
車体センターから85mmの位置に設計されてますが、リアタイヤを180以上に
するとなるとスプロケット取り付け面を108mmに設定してやる必要があります。
と言う事は、108mm-85mm=23mm・・・
23mmドライブチェーンが外へオフセットされるとフレーム左内側とチェーンが
干渉してしまう為、インライン処理によるドライブチェーンの通過軌道確保は必須
科目の加工になる訳なんです。
この後は痛んだ塗装や錆をきれいに取り除き、パウダーコーティング工程へ。
フレームとは暫くお別れですので その間エンジンセクションを進める事に。
エンジン鋳造部品は既にガンコートが終わっており、シリンダーとヘッドは
現在 精密内燃機加工が進んでいます。
クランクシャフトのみ 芯出し修正が完了していますが、今回は特別メニューで
フルリビルドまで施しました。
組み立てクランクを一端全て分解し、一点 一点 パーツコンディションを確認
したら、新品ベアリングを用いて組み立て 気筒間の位相を精密合わせします。
最近のZクランクは、クランクピン外径部やコンロッド大端内径部などに著しく
痛みが見つかる個体が多く、同時に位相ズレ起こしてるのも増えて来てます。
クランクをフルリビルドすると当然メカノイズも静かになるし、何より大きく
違うのは 明らかに回転振動が低減する事・・・
滑らかに回るクランクシャフトってこんなに良いものなんだ! と 体感ができる
お勧めメニューなんです (^^)v
そして数日後・・・
フレームが戻って来ましたので 早速立ち上げに入りたいと思います! (^_-)-☆
その前に・・・
魂の注入・・・
正真正銘 RCMとしての証である、シリアルプレートを打ち付けました。
奈良の H・Tさ~ん! 大変お待たせを致しましたーっ!
7月の完成目指して進めてますんで、楽しみにお待ち下さいね~っ! (^^)/