こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
関東は相変わらず雨降りの毎日ですが、明日はやっと晴れ間が出そうですね。
雨天時は納車に向けてのロードテストが出来ないし、シャシーダイナモで
キャブセッティングした車両の実走確認も出来ないので困ったもんです (-_-;)
もっとも梅雨があけたら明けたで 今度は猛暑なんだろうから、それはそれで
嫌なんですけどね・・・ (^^;)
20台越えのRCM製作と 他にも沢山の修理やカスタム業務で一杯ですから
暑いだの寒いだの、わがまま言ってはおられません!(苦笑)
張り切って行きましょう!
神奈川県在住 K・Hさんの、RCM-523 Z1‐R(その3)です!
フレーム補強が概ね終わり リアサスレイダウン加工のやり直しに移るのですが
既にレイダウンされている左右の幅が 18インチホイール用スイングアームに
あわせた狭い幅(実測定で255mm前後)となっており、幅を狭くする為に
シートレールもへこまされた状態になっておりました・・・
17インチホイールの場合、同時にスイングアーム幅もワイドなものとなる為
サスの立ち位置幅を295mmに設定する必要があり、このままでは幅が狭くて
取り付け出来ない事からやり直しをする事に・・・
ちなみにサスマウント位置も若干前倒しになる位置になっており、この位置だと
リアサスが斜めになりすぎるので同時にそこも移動して、更に上に溶接されてる
補強プレートも板厚が2.5mmと厚すぎるので そこもやり直します。
方法はこの様に、直したい部位を切開して 元々のパイプ状態に戻すと言う
外科手術的な加工・・・
ここをバッサリ全部 切り飛ばしてしまうと、ビン!とシートレールが跳ね
上がったり あるいは縮んだりしてしまうので、寸本が変わる事のない様に
必要な部位半分だけを切り取るんです。
同じ外径、同じ肉厚のSTKM13Cパイプから切り出した材料をあてがって
周囲のパイプとの高さなど 違和感がない様に擦り合わせ加工をして溶接・・・
溶接後は徐々に目を細かくして行く研磨で 最初のフレームパイプ状態に戻します。
ここからようやく 改めてレイダウン加工がスタートしますから、やり直し作業は
普通にレイダウン加工するより しんどいんスよね~・・・ (;^_^A
おなじみレイダウン治具を用い、新規にレイダウンブッシュ下穴を2mmほど
上の方に開け直して、裏側の穴は塞がずに若干長穴に加工をして溶接・・・
出来上がりました。
左右295mmのワイド幅で、リアサス取り付け角度も以前より少ない傾斜に
リメイクしたレイダウン・・・
今回はリアサス取り付け幅をワイド化するのが主な目的だった為、今までの
レイダウン精度がどうだったのかは確認しませんでしたが、サスマウントの
ブッシュ左右の平行度や位置など きっちり高い精度で仕上がっていますから
やり直しをした事は良かったかと思います (^^)v
フレームが完成しました・・・
高剛性の中にもしなやかさを持ち合わせている、サンクチュアリーオリジナル
ステージⅡ補強と 高精度に加工され直したワイドレイダウン・・・
そしてもちろん、180以上のワイドなリアタイヤに対応した チェーンライン
23mmオフセットに対応したピボット左サイドのインライン処理と、全ての
加工を終えましたので、これよりパウダーコーティング工程へ送りましょう!
K・HさんのZ1‐Rにはオーソドックスなヘッドライトが付いており、左上の
Z1‐R純正ヘッドライトリムは急遽 中古で在庫してあったものを提供したもの。
その他バッテリーケースやブラケット等の小物パーツ共々、フレームと一緒に
纏めてパウダーコーティングへ送ります。
ここまでフレームの加工とエンジン分解ガンコートの段取りに時間が掛かって
おりましたが、ようやく第2段階へ進むべく、外装リペイントの段取りもして
おくことに・・・
タンク内をチェックしたところ、何かしらコーティングされている様でした。
おそらくは錆の発生防止用ケミカルでコーティングをしたのだと思うのですが
中には時間の経過と共にコーティングの下で錆が再発し始めるケースもあり
そうなるとコーティングが浮き出し 剥がれた膜がキャブレターへと落ちて行き
オーバーフローなどのトラブルを呼び寄せる場合があります。
実は施されたコーティングを隅々まで剥離する作業はとても大変なんですけど
このタンクのコーティングは 目が届く範囲に限り状態が良さそうでしたので
剥離はせずにペイントを進める事としました。
そして数日後・・・
フレームと小物パーツがパウダーコーティングされ 戻って参りました。
これより早速、車体の立ち上げに入りたいと思います (^^)
K・Hさ~ん!
この後はどんどんバイクらしくなって行くんで、楽しみにしてて下さいね~っ!