こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
今日は各地で40度超えした所があった様で、やっぱり猛暑続きになりましたね。
一般的にバイクは ”夏” と言うイメージが定着してたと思いますが、ここ数年の
温暖化? の影響もあってか、むしろ「夏ムリ!」的なイメージになりつつあると
自分は思ってます・・・
昨年9月の筑波サーキットで ピットインして来たZレーサー3号機が、ピットで
エンジン掛けていたとは言え 油温が140度超えして 更に上がり続けようとして
いた時は マジメにビビリましたね・・・ ( ̄▽ ̄;)
こんだけ暑いと、例えストリートでも 渋滞などで油温120度超えるなんて事も
あり得るでしょうから、空冷エンジンにとってこの猛暑は大敵。
エンジンはダラダラ・・・ ヘルメット脱いだらベタベタ・・・ (;^ ^A
そんな厳しい季節ではありますが、納車予定は変わる事なく続いて行っております。
今回お見せするマシンも つい先日納車となったばかりの1台・・・
神奈川県在住 K・Hさんの、復活したマシンをご紹介いたしましょう。
RCM-523 Z1-Rです。
そもそもは お兄さんから譲り受けたと言う、Ⅰ型のZ1-R。
K・Hさんが「シリアルナンバーの下二桁は 23で」と拘ったのは、もしかして
兄さん・・・ 23だから?・・・
今ふと 思っただけなので、違ったらすみません (^^;)
引き取りに伺い 工場に入れて見ればやはりアチコチ痛みが酷く、大掛かりな作業を
必要としている事が一目瞭然で判断できる状態でした。
車体全体の痛みもさながらエンジンも要オーバーホールな状況で 更にフレームにも
手が加えられており、そこもやり直しする事となって再生計画はスタート。
ホイール輸入事業部の石田に 探してくれ!と頼んだら、何とラスト1セットだけ
残ってた O・Zレーシング製 5本スポークPIEGAのゴールドテクノホイール。
イタリアパドヴァ市に在る O・Zレーシングの本社工場では、4輪のF-1マシン
ホイールに提供する様々な技術があり、このショットピーニングで表層のひと皮を
更に鍛造させて剛性変化させる技法は O・Zならではのもの・・・
元々2万トン鍛造機で ホイールを鍛造プレスしてる事だけでも 凄い事なんですが
外側と内側で材質の性質に差を持たせる発想と言うのは、何もホイールに限らず
工業製品ではよく用いられる手法で、それをホイールで実現させた訳なんですね。
でもコストが上乗せになってしまうし、6本スポーク GASS RS-Aがアルミ
鍛造の上級モデルとして登場した事もあり、マグネシウムの CATTIVAも
加えると3種類のホイールで各色と言うラインナップが細かく増えすぎた事から
在庫管理上の問題に繋がり このテクノショットピーニングホイールの取り扱いを
やめる事にしたんです。
そんな最後の在庫ホイールを用いて造り込んだ車体メニューは、RCM十八番の
前後17インチシャシー。
フレーム補強やリアサスレイダウンをやり直して、完璧な仕様のフレームとし
新たに新生を果たしました (^^)/
エンジンも全分解され、各部をチェックした後に耐熱ガンコートで全塗装・・・
意外に健全な状態だったエンジン腰下回りでしたが、ひと通り消耗品を交換して
今の最新メニューを駆使したオーバーホールを施しています。
オールブラックで生まれ変わったエンジンビューが より重厚感を醸し出していて
これぞ ”空冷Z!” と言う雰囲気ですな (^^)v
最後の最後にロードテストを行っていて、油圧が低い状態である事を確認・・・
オイル警告灯がアイドリング付近でチカチカ点滅するだけでなく、回して行った
時に上の領域でも警告灯が点滅したなら、それは間違いなくキャビテーション。
つい先日、オイルポンプのブログをお見せしたからと言う訳ではないんですが
このキャビテーションを抑制するには内接式歯車であるトロコイドローター式の
オイルポンプが最も効果的なので、それではと早速トロコイドオイルポンプへと
交換しロードテストした所、全て解決。
テスト走行を担当していたメカニックの原が・・・
「オイルポンプ交換で警告灯が点滅しなくなったのはわかるんですが、どうして
ポンプ交換で こんなに油温が下がるんですか?
エンジンの回り方も滑らかになったし、何でですかね?」 と、聞いて来たんで
(フッ・・・)
(今更 何言ってんの・・・) と、言っておきました ( ̄▽ ̄)
ナイトロレーシング製 スチールメガホンマフラーも、車体をオールブラックでと
拘られた K・Hさんからのリクエスト・・・
前後ホイール以外、ほぼ全てのパーツがオールブラックで仕上げられております ♪
タンクは元々のものを再使用しましたが、ペイントは今回新たに塗り直しました。
Ⅰ型Z1-Rの純正カラーですが、実はちょっとだけスパイスを利かせたアレンジ
仕様で、近づいてよ~く見ると 細かいフレークが効いた仕様になっているんです。
シートは残念ながら廃番となってしまっている、おなじみナイトロレーシング製の
RCMコンセプトシートをワンオフで用意したもの・・・
シート形状にうるさい中村に あーだ こーだ言われながら、原が一生懸命スポンジと
格闘して造ったシートです。
いいね、丁寧にやったのが見ただけでわかりますよ ♪
カッコいいし、バランスよく見える・・・ 足付きも良くなってるし 合格!(^^)
このZ1000の純正流用デジタルメーターも 気に入ってくれた事でしょう。
視認性だけでなく、接続する事で油温や時計・燃料メーター等 とても機能的!
更に特筆すべきは この【軽さ!】・・・
Z1-Rのマスク回りが軽くなったらどうなるのか、驚いて頂けてるでしょう ♪
Z乗りは高齢化の一途を辿ってますから、今お兄さんが何歳か わかりませんが
乗れるなら是非一度 乗ってみて頂きたいかな (^^)
見た目の変化はもちろんなんですが、何より大きな変化は その走行運動性能・・・
「これがあのZ1-Rなの!?」 って、感じて貰えるはずですからね!
あ、でも・・・
この猛暑で乗るとキツいでしょうから、熱中症にはくれぐれもお気をつけ下さいね。
K・Hさ~ん!
RCM-523 Z1-R、これから大切に乗られて行って下さいね~っ!!
あとパンの頂きもの、ありがとうございました~!
う~ん、 これ 何でこんなに甘いんですかねぇ?・・・
久々うなりましたよ・・・ (こっちが驚かされて どうすんだか (^^;)