こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
昨年秋から始まった週1台ペースでのRCM受注ですが、主に中心となる機種は
空冷Z系で 皆さんその勢いたるや自分達の方がビックリしているほど・・・
あれだけ沢山あったベース車の在庫が ここに来てもの凄い速度で減り・・・
「あぁ 空冷Z系RCMも、いよいよあと数年で終わりを迎えるんだろうな」 と
そんな実感がひしひし強くなっております。
空冷Z系RCMがカウントダウンに入って行く中、実はもう一つ勢い増している
機種がありまして、それがGPz900R Ninja・・・
昨年の春よりNinjaのRCM、スポーツパッケージ NewTYPE-Rへの
問合せも随分と頂いており 常時製作車両がある状況です。
今回ご紹介する車両も、そんなマシンの中の1台・・・
大阪府在住 T・Kさんの、RCMー540 Ninja スポーツパッケージ
NewTYPE-Rです!
前後足回りが組み付けられ 既に立ち上がった車体・・・
1月の上旬から製作を開始し、1ヵ月ほど前にはこの状態に至ってましたが
「あのパーツがない・・・」「この部品が遅れている」と言った様な要素が
重なっておりまして、思う様に進められず苦戦・・・
でもここに来て、だいぶ順調に進行し始めました。
NewTYPE-Rは ベース車そのものを一端全分解し、フレームを加工。
正確にはアッパーカウルマウントボス部の補強と ドライブチェーンライン
オフセットに対応したインライン処理を施して、パウダーコーティングまで
施工するのが標準メニュー・・・
空冷Z系RCMと全く同じ工程で製作されるのが、NewTYPE-Rです。
故に この画像の状態に至るまで1~2ヶ月ほど掛かっているのが通例であり
後半は悪くないペースで進んだと言えるでしょう。
エンジンも主要な鋳造部品を 全てガンコート塗装・・・
今や程度の良い個体をすっかり見かけなくなった、Ninjaの中古車だけに
エンジンがまるで新車の様に美しいと 気分が全然違います (^^)
ガンコート塗装するのにエンジンを全分解していますから、もちろん同時に
しっかりオーバーホールしてあげるのもNewTYPE-Rの標準メニューです ♪
メーカーで永久欠品になっているクランクシャフトには、ジャーナル部の摩耗値
測定をし、使用限度範囲内なら ジャーナルラッピングで鏡面仕上げをしてやって
ダイナミックバランスを施しました。
メタルベアリング式のクランクシャフトでは、オイルクリアランスの精度追求と
コンロッドボルトの締結強度がとても重要・・・
それこそ何十年も昔の話ですが、この辺のトラブルで何度か痛い目にあった事が
ある自分としては、今だにうるさい監視とアドバイスを続けています。
ミッションは 空冷Z系ほどドッククリアランスを注視しなくとも大丈夫ですが
メーカー欠品から新品が入手できない部分も出て来ています・・・
また前期型(~A6)と後期型(A7~)で、ミッションギヤの形状や材質など
見直された事から(確かA8の中期で変わった記憶あり)慎重にチェックをして
ストックしてある良品中古のギヤにスワップし、組み上げております。
画像を撮り損ねましたが、腰上もまずはシリンダーを水圧検査・・・
サイドカムチェーン式エンジンのライナーは、空冷Z系によく見られる様な
シリンダー鋳造部が痩せてライナー圧入が緩くなるのではなく、ウォーター
ジャケットに直接挿入されているウェットライナー構造である事から シール
しているOリングが硬化してリークを起こす為、必ず水圧検査を実施してから
オーバーサイズピストンでボーリングしています。
もちろんシリンダーヘッドにもスペシャルメニューを施しておりまして、これは
NewTYPE-R専用で量産した 焼結合金製のバルブガイド・・・
若干オーバーサイズ寸法で造られており、ヘッド側ノーマルガイドを抜いた後に
下穴をホーニングして入れ替えるもの・・・
昨年からNewTYPE-Rの製作台数が重なっていた為に、それなら一辺にと
沢山のガイドを用意しておいたんです。
ファイナルエディションのチップ鋳込み式ロッカーアームに変更して、カム山に
かじりが見られたものは オーナーさんからのハイカムへのアップグレード指定が
ない限り、輸出仕様のノーマル新品カムに交換・・・
内部構成を最後期型の対策品に変更しつつでフルオーバーホールが完了しました。
こうして先週、無事エンジンが搭載されました。
Ninjaはエンジン載ってないとフレームが開きそうで、見ていて恐い・・・
エンジンが載ると ホッと一息つけます・・・ (;^ ^A
ナイトロレーシング製 ハーフポリッシュ仕様のチタンマフラーを取り付けたら
同じくナイトロ製ダウンチューブ&ステップのコンビネーションKITを装備。
更に発展して ワイドラジエータKIT、ハイマウントオイルクーラーKITと
ボルトオンアイテムのお陰で とんとん拍子に作業がはかどります (^^)v
アップグレードされた O・Zレーシング GASS RS-Aホイールを支える
SCULPTURE製スイングアームには、モナカ合わせスタビライザーが
追加溶接・・・
SUNSTAR製ワークスエキスパンドディスクには、上質感なキャリパー
Brembo製 CNCニッケルコート2Pを採用・・・
性能はもちろん、そのパーツが持っている存在感だけは演出できませんから
パーツ選びでマシンの顔つきは大きく変わるもの・・・
妥協できない所ですよね。
外装ペイントも出来上がり済み。
T・Kさん 「カラーリングは自分のセンスに任せます!」 って・・・
う~~~ん・・・
それなら一度やって見たかったこのカラーでと決めたんですが、自分の趣味や
センスを評価してくれてるとは言え プレッシャーありましたわ・・・ (;^ω^)
まぁでも NewTYPE-Rらしい、カッコいいカラーリングに仕上がったと
思いますよ ♪
大阪のT・Kさ~ん!
今のところ来月の中旬完成予定で、3月末までの納車を目指しておりますっ!
もう少しだけ お待ち下さいね~!!!
= お知らせ =
只今サンクチュアリー本店では、過去に例を見ない多大な業務と対峙しており
本来であれば3~4ヵ月ほどで完成するRCMも 4~5ヵ月、あるいは半年と
言った製作期間に延びております。
ゴールデンウィーク前の納車をご希望されているお客様も多く、もちろんその
ご期待に応えるべく毎日奮闘しておりますが、いかんせん 今まで経験した事の
ない多数のRCMオーダーにより 工場での進行に時間が掛かっております。
これからオーダー頂くお客様も含めて、極々本当に特殊な仕様のRCMを除き
製作期間が半年前後になる事、どうかご理解・ご容赦を頂ければと思います。
何卒よろしくお願い致します。
サンクチュアリー本店 (株)ノーブレスト 代表 中村博行