こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
納車ラッシュ続きのサンクチュアリー本店ですが、実はRCMだけに限らず
一般修理やリメイクなど ここに来て20台ほど納車が完了し、入れ替わりで
入庫した車両がありながらも 今は70台ほどで落ち着き出しました。
それでもまだ いつもより預かり車両が多い状態ですけど、ひと段落ついたし
連休明け納車になる車両もありますので、気持ち的にはちょっと安心 (^^)
と言う訳で、つい先日も納車のなったRCMをご紹介したいと思います。
茨城県在住 T・Sさんからオーダー頂きました、このマシン・・・
お見せ致しましょう。
RCMー533 Z1000RⅡです。
この車両、よく見て頂くとこのマシンならではの個性がわかる1台でして・・・
いかがです?
ハンドルが切れているのに、アッパーカウルやメーターが正面を向いてますよね。
そうです。
RCMのZ1-Rでよくリクエスト頂く、アッパーカウルのフレームマウントを
採用して製作された Z1000RⅡなんです! (^_-)-☆
ステアリング回りに取り付けられるメーターなどの装備重量が ハンドリングに
大きく悪影響およぼすのは 皆さんもうご存知な事でしょう。
通称【ママチャリかご満載ハンドリング】と自分達は呼んでるんですが、この
現象はビキニカウルを付けた旧車に多く見られるもの・・・
サーキットなどを走るとわかるんですが、ヘッドライトやメーターなど外すと
バイクのステアリング性能が激変するのを体感できます ♪
故にアッパーカウルやメーターをトップブリッジに取り付けない、フレームに
固定する手法が大変有効で、その効果効能は本当に素晴らしいものなんです。
フレームヘッドパイプにマウントボスを溶接する事で、しっかり固定・・・
ブラケットはジュラルミン総削り出しの逸品で、強度・剛性 共に不安なし。
90年代のレプリカモデル純正メーターのパーツを流用し、一部のパネルを
ワンオフして スタック製ステッピングタコメーターとフューエルメーターを
収納しました。
フレームマウント化によりアッパーカウルが前に出すぎるとカッコ悪くなって
しまうので、なるべく前に出ない様に配慮・・・
ハンドルを切ると マスターシリンダーのレバーがカウルに近くなるんですが
それでも切れ角を十分に確保しつつ、ミリ単位に拘りギリギリまで干渉しない
絶妙な位置に設定。
見た目と機能、どちらも犠牲にせず仕上げております。
足回りは17インチシャシーで、渋めのカラーコーディネートをチョイス。
車体の色を沢山使わない方が、かえって出て来る迫力ってあるんですよね。
リア180ワイド幅のラジアルタイヤに合わせて、ドライブチェーンラインは
車体センターから105mmの位置までオフセット。
ドライブチェーンが外にオフセットされた分、左リアショックも外に逃がして
行かなければ今度はチェーンとリアサスが干渉し出しますので、左右リアサス
幅を295mmのワイド幅にしつつ、同時にレイダウン加工を施しました。
また特筆すべきは、リアエンジンマウントの強化メニューで・・・
もうおなじみになりました、Z1000J/R系の 後部エンジンマウント補強の
メニューは いわゆるS1の手法とは異なるもので、ZEP1100ノーマルの
エンジンマウントを参考にした サンクチュアリーオリジナルのフレーム補強。
このやり方でないと、どうしてもクランクケースが前後に動いてしまうんです。
SS400材から製作した立体的なブラケットをクランクケースにダイレクトに
取り付けできる様にし、短いレングスのクロモリボルトをワンオフしてケースを
ホールドしたこの補強は従来の補強とは大きく異なり、とにかく動かない・・・
何よりもケースマウントボルトが曲がらなくなりました。
最近では空冷GPz1100なども この補強手法を取り入れてまして、ようやく
確実で安定した補強メニューとして定番化しています。
ウェルドチタンエキゾーストなど、一部のパーツには中古を用いておりますが
大半のパーツは新品で構成。
エンジンはオーバーホール性に重点を置いたライフパッケージで、鋳造部品の
耐熱ガンコート塗装後に 精密内燃機加工をフルメニューで導入。
それでもナイトロレーシング製チタンEX+TMRφ36キャブレター、そして
ASウオタニSP-Ⅱの組み合わせで、実用域のトルク&パワーは充分なものに。
最近はエンジンの耐久性を重視したライフパッケージか、もしくは ある程度の
サイクルで再びオーバーホールする事を前提としたパワーパッケージのどちらか
はっきり二つに分けて選ばれる方が増えた様に感じますね。
少し濃い目の色合いにしたキャンディライムグリーンは、最近のRCMでは
人気のあるカラー・・・
この色もオーナー T・Sさんからのリクエストで、中村もこの少し濃い目の
キャンディライムグリーンはとてもセンス良いと思います。
少し濃い目の色の方がリッターバイクらしい貫禄が出るんですよね~ (^^♪
リアフェンダーレスKITとウインカーステーは、拘りのワンオフもの・・・
実はこれ、意外に皆さんからの評判がいいんですわ ♪
ちなみに「それなら量産しようよ」と 検討もしてたんですけど、忙しくて企画
全く進んでおりません・・・ ( ̄▽ ̄;)
ベースとなったZ1000RⅡは、以前に古いお客さんから買い取りした車両で
たまたま1台だけ在庫していたもの・・・
買った価格が今みたいな高い値段でなかった事もあり、T・Sさんには特価で
ご提供できたんですけど、今となってはZ1000RⅡを特価で提供するなんて
とてもじゃないですが出来ません・・・
それどころかもうZ1000RⅡベースのRCMなんて、車両をお持ち込みでも
して貰わない限り、造れないんじゃないかな・・・ (;^ ^A
そう言う意味では貴重な1台になったのかも・・・
そんな風に思っています。
T・Sさ~ん!
予定してた3月納車から2ヵ月も遅れてしまい、本当に申し訳ありません!
最近は皆さんもそうですが、ブログも1~2回位しか更新できずに納車と言う
パターンも多く、製作台数が多いとは言え 自分の力不足に反省しております。
お待たせしてご迷惑をお掛けしましたが、これから長~いお付き合いになると
思いますので、今後共よろしくお願いしますね~!