こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
千葉県在住 T・Gさんからオーダー頂きました、このマシン。
ご紹介しましょう・・・
RCMー559 KZ1000MK-Ⅱです。
最初の印象としては いつもの筋肉質なシャシーではなく、シックでスラリとした
足回りが目に入ると思います。
そう、このRCMー559は前後18インチホイールシャシーで製作されました。
PMC製のアルミホイール MK-Ⅱ用のSWORDを用い、そこにSUNSTAR製
MK-Ⅱ用の4結ディスクを固定。
ローター径はφ320で、ここまでは従来からのZ系カスタムの定番メニューですが
そこに210mmスパンのSCULPTURE製ステムと、ゼファー1100純正の
φ43フロントフォークを組み合わせる・・・
本来であれば17インチホイールに適したステムKIT&フロントフォークを採用し
18インチフロントホイールを装備しています。
逆にリアは、18インチホイール専用のSCULPTUREスイングアームに
同じくMK-Ⅱ用 SWORDホイールを装備・・・
ここは18インチホイールの幅など、寸法マッチングが素直なアイテム同士で
構成しており、姿・形こそ違えど、昔ながらのカスタムに準じています。
今から30年ほど前、中村の愛機Z1-Rを18インチホイール仕様にしていた
頃の寸法感なんですが、あの頃と唯一異なるのがドライブチェーンのラインで
今はリア150タイヤでもチェーンラインを外へオフセットさせているんです。
でも昔の社外製18インチホイールは、ノーマルチェーンライン85mmのまま
販売されていました・・・
自分がZ1-Rに取り付けた18インチのマグネシウムホイールもそうでしたが
530ドライブチェーンにノーマルのチェーンラインだと、140リアタイヤは
ギリギリかわせても 150だとチェーンとタイヤ左サイドが干渉してしまう。
今はホイールセンターからスプロケットの取り付け面までの数値を、ノーマルの
85mmから6mmオフセットさせて 91mmに設定されている。
当時とは違って、ちゃんとノウハウが反映された製品になってるんですわ (^^♪
エンジンは耐久性を重視した ライフパッケージ仕様・・・
ライフパッケージだから「簡単で早い」などと 言った類のものではありません。
施してる精密内燃機加工メニューや精度の追求は変わらず、ただビッグボア化や
ハイカム、ビッグバルブと言ったパワーチューニングを採用をしていないだけ。
ビッグトルク&ハイパワーではないですが、これからの時期 熱ダレする事も多く
13段層あるオイルクーラーコアへのオイル充填を完全にすべく、トロコイド式
ハイプレッシャーオイルポンプは迷わず採用いたしました。
ちなみに、ビッグトルク&ハイパワーではない・・・ とか言うと、誤解を招くと
思うのですが、エンジンはオーバーホール性に重点を置いた1mmオーバーサイズ
ピストンでありながらも圧縮を上げて、そこにミクニTMRφ36キャブレターと
ナイトロレーシング製メガホンマフラー、ASウオタニSP-Ⅱを組み合わせた事で
低中速域トルクも最高出力もノーマルを大きく超えた特性になっています。
ノスタルジックな18インチホイールシャシーでありながらも、新しい優れた
パーツは積極採用する・・・
ZXタイプのハンドルスイッチを始め、ラジアルポンプマスターシリンダーは
絶対必需品って位、あとあと「これにして良かった」と思えるもの。
雰囲気こそ昔の当時感を残しつつも、あくまで乗り易さ・扱い易さに拘る事が
RCMの基本コンセプトの一つですからね ♪
ちなみにマスターシリンダーメーカーはもちろん、イタリア Brembo製ですよ。
デイトナさんがリリースされている、RCMコンセプトCOZYシート・・・
おなじみのこのシートも優れもので、着座する部分の幅がわずかに狭くなって
いるのが また良い。
シートベースには シリアルプレートやキーホルダーと言ったRCMである事を
証明するものではないですが、RCMロゴの入ったプレートが取り付けされて
おり、そう言うのも何だか嬉しいアイテムですよね (^^)
それにしても、昨今 MK-ⅡでRCMを製作するのは 大変厳しくなりました。
今ホームページのRCMクラフトマンシップで 空冷Z系での新規製作車両が
全くご紹介されなくなっておりますが、昨年から続いてる爆発的オーダーの
多さはもちろん、それだけではなく ベース車が買えない・・・ 買えても高い
と言う現象が、新規製作車両を中々ご紹介できない要因になっているんです。
今年は ”節” の年・・・
節目の ”節” と名付けたのは「脱・空冷Z宣言」を今年から始めるからでした。
大好きな空冷Zで、これからもRCMを製作して行きたいのは変わりませんが
ノーマル車両の価格が300万円とか400万円になっている時点で、それは
もはや成り立たなくなって来ている事・・・
相場価格の上昇は どうやら緩やかに落ちついた様ですが、これからZ系車両が
ますます手に入らなくなって行くのは確実ですから、あと3~4年・・・
いや、2~3年位が限界なのかなと・・・
そう予想しています。
造り続けられる限り、頑張る!・・・
まだ「いつかは」と計画されてる方もいると思うので、ギリギリまで造りたい。
その為にもロスのRCM USA社には「もっと探して!」と、現地の者達には
更に頑張って貰わなきゃなりませんね・・・ (^_^;)
T・Gさ~ん!
最後の最後で ちょっと時間が掛かってしまって、大変お待たせを致しました~!
もう少しで納車となりますので、もうちょっとだけお待ち下さいね <(_ _)>