こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
RCMは今年の夏で 生誕20周年を迎えたと、少し前にもお伝えしましたが
その辺のメモリアル話については近い内にご紹介するとして、とにもかくにも
ちょうど20年経過した今現在で製作中のRCMも含めたシリアルナンバーは
540番台・・・
まもなく550番台に入ろうとしている所です。
まぁ~ よくぞここまで来たものだ・・・ と、自分を離れて独り歩きしつつある
RCMですが、日々新しい車両だけを製作している訳ではありません。
何せ20年も経つと、初期のシリアル車では再生が必要であるケースもあったり
中にはよりアップグレードしたいとのオーナーリクエストから、大幅リメイクを
施工される車両があったりします。
確かに今から10~20年程前だと 今の様に良いパーツがなく、現在のRCMと
比べて 充実度が異なるのは認めざる得ないところ・・・
でも逆に言えば、10~20年前に製作されたRCMを大幅リメイクさせれば
その差を体感するほど変化を得られると言う事でもあり、久々に大幅リメイクを
したいと積極的に楽しんで頂けてるオーナーが意外にも多かったりする。
こちらのマシン RCM-101は、随分前のクラッシュからの復活再生劇・・・
修理を機に大幅リメイクも同時敢行している1台。
静岡県在住 M・Aさんの RCMー101 Z‐1 復活に向けて(その4)です!
変形が著しいフロントホイールは交換となりましたが、リアホイールにダメージが
なかった事からリアは再使用する事に・・・
共にイタリア O・Zレーシング製のマグネシウムホイール CATTIVAですが
ホワイトは後塗りで今回またペイントするんですけど、フロントだけ塗るとリアと
色の質感が変わってしまうかも?と言う事で 前後合わせて塗る事になりました。
ホイールがパウダーコーティング工程へ行っている間 車体を少しでも進めるべく
まずは磨き上がったばかりのスイングアームに新品ベアリングを圧入します。
当初は洗浄&グリスアップ程度で十分だろうと予想してましたが、思ったよりも
消耗していた感がありましたので、急遽 ベアリングとスリーブの両方を交換・・・
良い機会なので 摺動痕深かったチェーンスライダーも新品に交換しておきました。
Z系のサイドスタンドは本来 ノーマルマフラーにダンパーが取り付けされており
スタンドはそこにあたってストッパーが効いてるのですが、そのダンパーがないと
こんな感じの払い切った状態になってしまいます。
この辺はお見積もりには入れていないものの、このままと言う訳にも行かないので
ストッパー機能をひと手間加えて追加してあげるんですが、もちろんそう言った
作業は無料で行っており、他にも無料の作業と言うものは結構多く点在しています。
ごく簡単な加工や ちょっとした小部品など、一個一個 何もかも全てご請求するのは
面倒な事でもありますし、こちらの判断で無料施工すると言うのは RCMにおいて
実はよくやっている事でもあるんです。
再使用できそうなパーツは再度点検を行った後、ひたすら洗浄して きれいに・・・
シリアルナンバー101と言えば、製作されたのが もう何年も昔の事でしょうから
今回作業した部分との差異を感じない様、配慮して組み付けて行きます。
車体の方が ひと区切りついたので、エンジンセクションを進める事に・・・
クランクシャフトの芯だし修正と、クラッチはハウジングアッセンブリで交換。
ミッションは今回やっと入荷した、DC社改め TW社製の6速クロスミッション
KITを奢っており、それもロングアウトプットシャフトを用いたスペシャルで
サンクチュアリーコウガのドライブチェーンラインEVOLUTIONシステム
通称【EVO6】を採用!
この【EVO6】
あのZレーサー3号機での使用でもバツグンの性能を発揮した事が確認できている
だけに自信を持ってお勧めできる逸品なんですが、いかんせん・・・
納期に問題 大あり・・・
とにかくバックオーダー続きで1年待ちなんて事もあるから、どうにもそこだけが
難点でして、製品が最高なものだけに頭が痛いところ。
昨年から今年にかけて TW社とサンクチュアリーコウガの両方に、それこそ何度
電話したかな~・・・ (;^ ^A
催促する方も辛いんで もう少し早くならないものか、今後は中村もでしゃばって
入って行きたいと思ってます。
製作時に組み込まれていた APE製インプットシャフト側シフトフォーク・・・
画像にあるスラスト方向の摺動傷はインプット側によく見られる現象ですが、爪の
先端部分にもわずかな消耗があった事から 今回新品に交換しました。
アウトプットシャフト側のシフトフォークは2個は今でも新品が入手できる為
交換し、インプット側はAPE製で新品に・・・
シフトフォークのコンディションが良くないと、この後行うミッションドック
クリアランス調整が上手く行きませんから、重要な前提行為でもあります。
作業シーンを撮り損ねましたが、コンマ単位で異なる工業用精密シムを差し替えて
配列調節するミッションドッククリアランス調整は もはやノーマルミッションでも
欠かす事の出来ない必須作業となりました。
それこそもう 行うのと行わないとでは、全然 段違いですから・・・
多少 摩耗してるミッションでも、ドッククリアランスが精度高く調整されていると
ギヤの入りはもちろん ギヤ抜けも起こらなくなるので、ここ数年は以前にも増して
徹底して施す様にしています。
クランクケースを合わせては 作動確認・・・ 微調整・・・ それの繰り返し。
ここの工程だけで軽く半日を要しますが この作業だけはしっかり施しておきたい。
今やこの技術とノウハウはZ系エンジンを組む上で大切なメニューの一つなんです。
そして数日後・・・
オーナーのM・Aさんが ご来店!
最後の打合せを行うべく、やはりここは直接伺いたいとの事で ご来店されました。
M・Aさ~ん!
9月完成目指してのラストスパート、頑張りますねーっ!! (^^)/