こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
福岡県在住 H・Kさんにご購入頂いた 再販クラフト RCM-144。
前オーナー様が諸事情から手離され 再販売したRCMですが、過去に
製作されたRCMは 得てして調子を崩していたりするもの・・・
それこそ20年間、延べ500台以上ものRCMを輩出して来ましたから
オークションなど私達の手の届かない所で個別に売買されている事もあり
それらの車両はぶっちゃけ言ったら とても心配・・・ (;^ ^A
里帰りして貰ったRCMに関しては フルメンテナンスを施して本来の
コンディションに仕上げていますから、再販売車両であっても きちんと
保証を付けてます。
本当はこうでないと、ダメだと思うんですよね~・・・ ( ̄▽ ̄;)
今回のRCM-144も、私達サンクチュアリーの元で再販売する事が
できた為、現在納車前の整備を徹底して行っておりました。
RCM-144 Z‐1 作業進行中・・・ いや、 作業完了です!
エンジンを全分解し、消耗しているパーツのみ交換をしておりましたが
吸排気バルブのシートカットだけは行っておきたく、内燃機の加工では
ありましたが バルブ交換とシートカットだけは施しました・・・
バルブすり合わせだけで大丈夫なんじゃと思う方がいるかも知れませんが
燃焼室の密閉性に大きく影響する部分なので、ここはやっておくべき所。
あくまで納車整備の一環として施工しているので料金は頂いておりません。
フルオーバーホールを行っている訳ではないんですが、それでもここまで
来てこのシートカットをしないと言う選択肢もなく、無料で施工しました。
ハイカムへの変更は 新オーナーであるH・Kさんからのリクエストです。
ST-1カムとは言え、ハイリフト化からのバウンスやシム飛びの可能性を
懸念し、バルブスプリング交換の予算までご協力頂きました。
今回はスプリングをPAMS製でチョイスし、タペットもアウターシムから
インナーシム式へと変更して リテーナーもセット荷重が掛かるタイプに。
ガーンと回した時のバウンス対策も、これで万全でしょう。
タイミングホイールを取り付けて バルブタイミングを設定・・・
バーニア穴タイプのカムスプロケットでアジャストし カムシャフトの
ロブセンターを基準に固定するのですが、ノーマルカムのままであれば
行う予定ではなかった作業なので、ここの料金だけはきちんとご説明を
して頂きました。
内訳としては、ハイカムシャフトとアジャスタブルスプロケット代に
インナーシム化で必要となるタペットやリテーナー代、そして先ほどの
バルブスプリング代の他にシム調整とバルブタイミング調整の工賃だけ
頂いております。
それでも今回はバルブの交換やエンジンそのものの分解組み立て工賃を
一切頂いてませんので、同時期に行うのはとても能率的で経済的・・・
絶対お得だと思いますよ (^^)/
エンジン完成!
ポイントカバーとオイルフィラーキャップだけ暫定品を取り付けてますが
ここは納車前にはRCMコンセプトカバーとブラックのフィラーキャップに
変更されます。
フレームに搭載し、だいぶヘタってたノーマルポイント点火を取り外して
ここもH・Kさんからリクエスト頂いたASウオタニSP‐Ⅱに変更・・・
実はポイント点火とSP‐Ⅱとで キャブの燃調がだいぶ違って来ますから
最初から点火系が決まって燃調のセットに入れるのは 自分達にとっても
ありがたい事なんですわ ♪
最初から装備されていたTMRキャブレターは下取りをさせて頂き、新規に
TMR‐MJN DSFキャブレターをご購入頂きました・・・
アルミの素材のままであるスピゴットやDSFパーツは 比較的早い段階から
腐食し出したりする事もあり、いつもなら定番のアルマイト処理を施してるん
ですけど ここは予算のご都合で次回に!
ナイトロレーシング製のサイレンサーも、コニカルチタンシリーズから
ストレイトチタンへ変更!
キャブレター同様 コニカルチタンサイレンサーは下取りさせて頂きました。
こうして追って行くと、結構 色んなパーツ変更をしてますね~ (^^;)
既にロードテストを始めていた為 走行数が進んでおりますが、メーターも
新規にホワイトパネル化&針下向き仕様にしています。
最後にヨシムラ製デジタルテンプメーターを取り付けして、全工程完了。
なんですが!・・・
沢山の部品交換や作業と同じ位 大変なのがロードテストでして (;^ ^A
新品ピストンに交換し精密ボーリング加工したシリンダーとカムシャフトの
メタルあたりを慣らしつつ、交換したジクー製フロントブレーキパッドや
オーバーホール&スプリング交換したOHLINSフォークに前後タイヤ。
エンジンはもちろん、見た目以上に色々変更してますから あたりが出るまで
優しい運転から入って、各部OKが出るまでしつこくチェックするんです。
キャブセッティングも含めて 何度も走らせながら課題を解決して行く。
ある程度距離が伸びて来たら最初のオイル交換は無料で行い、複数人の
メカニック達と工場長の試乗チェックを経て ロードテストは終了です。
いやいや それにしても・・・
今回は振り返ってみると、RCM再販売にあたっての納車整備のはずが
そのレベルじゃなかった・・・ (^ ^;)フ~
福岡のH・Kさ~ん!
今週配送 掛けられると思いますんで、またご連絡しますね~っ!