こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
はい、また出ました もう納車しちゃってる シリーズです ( ;∀;)
納車前にまだ見ぬ完成した姿をブログ&フェイスブックで見せてから、オーナーへ
お渡しすると言う趣旨を貫いて来た十数年間でしたが、ここ1年程あまりにも多忙が
すぎて納車してからお見せしていると言う・・・ 厳しい状況が続いております。
何もブログ更新をさぼってる訳ではないんですが、どうしても書く時間が足りなくて
これまでは夜な夜な自宅でパチパチやって来たんですが、ここ最近は疲れているのか
風呂入って一杯やると、もう寝ちまうんすわ ( ̄▽ ̄;)
で・・・
「これはいかん!」と、少しペースを上げている 今日このごろ。
実を言うと色々な画像が溜まりすぎており、 焦り・・・ ハンパないんです。
も~ ネタの量、すごいっスよ~ (;^_^A
それではご紹介しましょう!
つい先日納車済み! 神奈川在住 Y・Kさんからオーダー頂きました、このマシン。
RCM-577 Z1-Rです。
スレンダーなⅠ型Z1-Rを、Ⅱ型のブラックカラーで更に絞ったフォルムが特徴的。
このRCM-577も「あれが無い」「これが来ない」と、パーツ待ち期間が長くて
1年までは掛かってはいないものの、10ヵ月もの長い 長~い製作期間が掛かって
ようやく納車する事ができました。
正直 半年でも長いよな~と 内心思っているので、1年近くも掛かってしまった事に
”言い訳無用” と 反省しております。
空冷Z系の中でも やや異色な存在のZ1-Rですが、MK-ⅡやZ-1同様、とにかく
中古車相場価格が高騰しました。
程度が悪い個体でも10年前の倍以上の値がついているし、そんな値段で売れんの?
と、思わず疑ってしまいますよね・・・
サンクチュアリーではZ1-RもRCMの中心機種と言う事で、数年前から積極的に
買い集めていて ロスのRCM USAからも結構送られて来ていたんですが、最近は
いよいよ見つからなくなって来ており、Z1-Rも間もなく終わりかなと感じてます。
そんなZ1-RをベースにRCM化された このRCM-577。
RCM十八番の、前後輪17インチホイール仕様のローリングシャシーにて製作。
いつもの3種神器、O・Zレーシングホイール・OHLINSサス・Brembo
ブレーキに加え 日本が誇るSUNSTARディスクの組み合わせは、二輪・四輪を
問わず、誰しもが認める世界最高峰メーカーの逸品ぞろい・・・
これならどうだと胸はれる 最も優れた製品だけで構成したいと言うのが、オーナー
Y・Kさんの希望でもありましたから、期待に応えたパーツチョイスだと思います。
黒で引き締められたブラックのシャシーは、よく見ればボリュームのあるパーツで
組み上げられています。
17インチホイール専用のSCULPTURE製スイングアームには、DIYでは
なかなか出来ない ブロックピースタイプのスタビライザーを追加溶接しました。
このスタビも何気なく見えるでしょうけど、7N01リブ角パイプの側面の補強は
長さや角度等 じっくり検証して位置決めしており、実は手の込んだ仕事なんです。
カスタムと一口に言っても、それこそ幅は広く色々です。
ボルトオンパーツだけで組んだバイクではなく、金属加工を前提としたカズタムこそ
RCMの特徴・・・
先ず そもそも専用の測定器具がないと進められないし、専用の加工治具も絶対必要な
不可欠なツール。
RCMを1台製作するのに、旋盤・溶接機・ミーリング盤・コンター・油圧プレス
そして フレーム補強用&リアサスレイダウン用治具に、ホイールセンター測定治具と
多種多用な特殊工具を駆使して造り上げています。
その工程はボルトオンカスタムとは全く異なる、どちらかと言えば ”製造業”の世界観。
エンジンとて、全く同じです。
こちらも汎用性のあるNC機YZ-500WRと、縦型フライス盤YZ-8Nを筆等に
ボーリングや面研を行い、バルブシート&フェイスリフェーサーでヘッドを仕上げる。
クランクシャフトの芯出しや位相修正には、釣合い試験機バランスマシンが欠かせず
何と言っても最も重要なシリンダースリーブホーニングには電子制御稼働の最新鋭機
H85Aが もはや無くてはならない存在・・・
エンジンも部品の交換ではなく、精密な内燃機加工が主体となって成り立っています。
車体もエンジンも、どちらも ”加工” ありきで製作されているものだから、RCMは
それ故 ”造り込み” と言う言葉を全面に出して来ました。
シャシーダイナモとて今では「これ無しで正確なキャブセッティングは出来ない」と
まで言わしめる、それほどまで 抜本的な考えをひっくり返しましたから、かつての
やり方にはもう戻れないでしょうね・・・
ここ1~2年で充実した設備を、あとは皆が日々使い続けて 論理的にも感覚的にも
自分のものとし、ひたすら練度を上げて行くのみです。
オリジナルメーターパネルなどのワンオフとて 同じ・・・
これはキャドを使いこなせる事だけではなく、デザインセンスも問われるところで
センスに関しては 中村もやたらと口出ししています。
いずれは今の2Dキャドではなく、誠太郎が使いこなしている3Dキャドを全員が
使いこなせる様にして行きたいですね。
今現在のRCMは、ここ1~2年で急激に変わった設備を生かして製作されています。
中村自身「1~2年で随分と変わったよなぁ~」 と、心の底から痛感させられており
我ながら「いや ホントすごいわ」と 自分で驚いているほど (;^ ^A
RCMの完成度に、そのクォリティーに、確実に大きな好影響が出ていると感じます。
そりゃ~ ネタも、画像が整理しきれないほど 増える訳ですわ・・・
もちろん、機械設備があれば 誰しもが良い仕事を出来ると言う訳ではありません。
でも、そもそもその設備がなければ それについて身に付ける機会もない訳ですから
設備そのものが充実し、それを日々稼働させ 日々吸収し続けて行くメカニック達が
造り上げるマシンは、かつてのものとは別の質・・・
このRCM-577も、そんなサンクチュアリーの成長期の中で造り込まれた1台で
ある事は間違いありません。
Y・Kさ~んっ!
納車して、もう乗られましたか~!?
「初日はながめるだけで」なんて仰ってましたけど、乗って貰う方が より感動して
貰えますから、是非とも走りに行って下さいね~っ! (^^)/