こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
おんなじ事ばっか書いてますが・・・
今日の午前中は三回線の電話が鳴りっぱなしで、内勤スタッフ達4名 代わる代わる
電話に出ておりました。
パーツ在庫の問い合わせなど 製品業務部への電話が大半なのですが、本来であれば
収まり出す午後になっても電話が多く・・・
(やっぱ カスタムバイクブームなんだな・・・)と、痛感させられてます (^ ^;)
製品業務部に限らず、相変わらずサンクチュアリーもバケツをひっくり返した様な
状況で、超ヘビークラスカスタムとフルオーバーホールの山、山、山・・・
日に何度かディンクスにもいるんですが、ディンクスもテクニカルな内燃機加工の
業務が大量に入っており、気が付けばディンクスもサンクチュアリーと変わらない
規模の忙しさに追われておりました ( ̄▽ ̄;)
こんな時に海外出張に行くのは かなり心配なんですが、そうは言ってもイタリアも
仕事での出張な訳ですから致し方ありません。
せめて出張前に「このブログだけはアップして行く!」と、猛奮闘中・・・
と言う訳で前回からに引き続き、ご紹介しましょう。
岡山県在住 T・Tさんからオーダーを頂きました、このマシン
RCM-638 KZ1000MK-Ⅱです。
枯渇する空冷Z系車両の中でも代表格の1台となっている、KZ1000MK-Ⅱ。
そんなMK-Ⅱをベースに、オーナー好みのリクエスト仕様 オーダーメイドとして
製作されたRCMで、随所に拘りが見え隠れしています。
オーナーは四輪のイタ車を愛する方で、その路線のマイカーも所持されております。
そんな絡みなのか、高級志向のコンセプトを垣間見るビジュアルで仕上がりました。
「デコレーション」ではなく「ハードカスタム」 そんな趣向を前面に醸し出した
このRCM-638ですから、自ずと各部仕様も決まって来ると言うもの・・・
17インチシャシーで構成された前後の足回りは、RCMではお馴染みの三種神器。
世界選手権Moto-GPマシンの多くに採用されるヨーロッパのメーカーアイテム。
イタリア OZレーシングホイールに、Bremboブレーキキャリパー&マスター
そして、スウェーデンのOHLINSサスペンションと、その品質は最高峰の場で
実証済みのものばかり・・・
例え他のマシンと同じになっても、それでも 最も優れた最高峰のメーカーを選ぶ。
この思考は自分も同感で、正にRCMの足回りを象徴する選択であると思います。
極太なラジアルタイヤは190サイズで SCULPTUREスイングアームには
ブロックピースタイプのスタビライザーを追加溶接。
この辺りの仕様もDIYで出来る類の作業ではなく、スペシャルなワンオフ性を
伴った特別な印象を感じさせる仕様・・・
「キラキラした艶感や派手な色で見せる」のではなく「中身の凄み」で魅せる!
こう言ったオーナーセンスも質実を大切にするRCMに相応しいと感じましたね。
だからこそ、目に見えないエンジン内部にも力を注ぐ・・・
クランクシャフトのフルリビルドはディンクスお得意メニューであり、リビルドを
施したか 施さなかったかでは、エンジンの回転フィールがまるで違ってくるもの。
そしてトランスミッションには コウガのドライブチェーンラインEVOシステムを
ハイブリッドさせた6速クロスを採用しており、この辺りも月並みな仕様にあらず。
緩みがちなスリーブをオーバーサイズに交換し、リフレッシュしたシリンダーには
ディンクス鍛造ピストンを組み込みました。
最新鋭CNC機 H85Aにより、精密ホーニングされたシリンダークリアランスは
緻密な仕上がりで、ディンクス鍛造ピストンと相まって軽快なレスポンスを発揮!
ディンクスが忙しくなった理由が、よ~くわかりますわ・・・ (;^ ^A
カリカリとまでは行かなくともチューニングされたエンジンでは、これからの時期
高温化しやすいシーズンではオイルクーラーは欠かせない存在・・・
そのオイルクーラーコアの機能をきちんと使い切るなら、13段のコア層すべてに
オイルを満充填して流しきる必要性があるから、トロコイドオイルポンプの存在は
欠かせず、もちろん採用しています。
エンジンは分解しなければ見えない部分なんですけど、チューニングの本質として
醍醐味を感じるのもエンジンで、しっかり手を加えてあげれば乗り味も爽快なもの。
だから空冷Zは面白いんです (^^)
そんなエンジンから排出されるブローバイガスもワンオフオイルキャッチタンクが
受け止める・・・
二室に分かれた内部構造で ブローバイガスと一緒に少しづつタンクに溜まって行く
オイルの吹き返し対策を施されたタンクです。
暫く走って溜まったオイルは側面に設けたドレンボルトで抜けますので、整備性も
考慮して単品製作されたものでした。
と、この様な感じで
RCM-638は、オーナーの拘りが各部に反映されたマシンとして完成しました。
撮影現場の公園にある、池の水面を背景にした画像・・・
この絵も情緒がって、いいなと思いました・・・ (カッコいい ♪)
MK-ⅡのRCMは今も新規にオーダーも頂いており、何台も製作が進んでいます。
ですが、必ず近い将来 出来なくなる・・・
いや、正確には「サンクチュアリー本店でベース車を用意できなくなる」が正しく
所有されている車両をお持ち込み頂いてのRCM化と言う選択肢になる事でしょう。
”角Z” の、代表的な存在たるKZ1000MK-Ⅱ・・・
T・Tさんは、オーダーメイドでMK-ⅡのRCMを造ると言う夢を実現されました。
今度は「造る」から「乗る」へ・・・ そして「維持する」へシフトですね。
サーキットランもたしなむ T・Tさん
Z系RCMの運動性能はバツグンですが、サーキットはストリートの何倍も負荷が
掛かりますから、なるべく労わって走行されて下さいね。
T・Tさ~ん!
ブログ、滑り込みで間に合いましたよ~!!
ヘッドスライディングでしたが・・・ (^ ^;)セーフ
= お知らせ =
私中村は 5月29日~6月7日まで、久々にイタリアへの出張で不在となります。
ですが、帰国した6月7日の翌8日が ”毎月第二木曜日の休業日” となりますので
6月9日よりの出社となります。
皆さんにはご不便をお掛けしますが土日を除いてメールは転送されて来ますので
少しタイムラグはあるでしょうけど可能な限り現地からご返信したいと思います。
何卒よろしくお願い致します。