こんにちは、サンクチュアリー本店の中村です。
ようやくドイツはフランクさんのRCM編が終わりまして、通常通りのブログに
戻っております。
まだラスベガス ディアズ氏のRCMカタナが残っておりますが、こちらもあと
2∼3ヵ月で完成する見通しでして。
少し前に 台湾の陳さんから新たなRCMオーダーを頂きましたが、暫くの間は
日本のユーザーさんに集中できると思いますので、これから遅れた分を少しでも
多く更新できればと思ってます。
海外からのRCMオーダーの場合は、日本のユーザーさんの様にその気になれば
見に来られると言うものではないので、どうしても沢山 ご紹介する事になって
しまうんですよね・・・
最も日本のRCMオーダー数も尋常じゃなく沢山おられるんで、油断していると
1回もご紹介できなかったなんて事になりかねないから、今はとにかく要注意。
熱い血潮が燃え尽きるまで、頑張るぞ~ (^_^;)
栃木県在住 N・Fさんの、RCMー561 Z-1です!
「均整のとれた補強だなぁ・・・」と、自画自賛してしまうフレーム ( ̄▽ ̄)
サンクチュアリーのフレーム補強は、材質(STKM13C & SS400)を
用いる事で、靭性と剛性のあるバランス感の良いフレームとし、
各所専用の治具を用いる(フレーム補強用治具 & リアサスレイダウン治具)で
寸法や形状精度の完成度に拘ったオリジナルメニューです。
最大の泣き所である フレームヘッド下の強度・剛性不足は、STKM13Cの
シームレスパイプを左右に配して補強・・・
ここが一番 重要な補強で、ここを長いパイプで下から支える様にしていないと
Z-1だけはフレーム補強をした効果が半減してしまうほど・・・
むしろ ここさえしっかり補強してあれば、あとはそれ程むきになる必要はない
くらい、大事な補強箇所です。
ボックス形状の補強は、全てSS400材から型押しをしたガセットプレートで
どれも捲り穴加工 バーリングが施されています。
180ワイドリアタイヤ化に伴って、ドライブチェーンラインは23mm 外へと
オフセットしなければホイールがセンターの来ないのですが、そうすると今度は
フレーム左内側にドライブチェーンが干渉してしまう為、チェーン軌道確保の為
インライン処理を施しています。
リアサスレイダウン加工の画像を撮り損ねましたが、どの加工も全て専用治具を
用いる事で 始めて高い精度で造り込む事ができるもので、治具なしで作業すると
間違いなく失敗します (;^ ^A
そんなフレームが、美しくパウダーコーティングされて戻って来ました・・・
最初のフレーム測定&ストレッチに、その後のフレーム補強とインライン処理
レイダウン加工、そしてその間 エンジンも分解してガンコート塗装されるなど
ここまで辿り着くのに たっぷり2ヵ月位は掛かりましたね・・・
ここサンクチュアリー本店もそうですが、どこの外注さんも忙しいみたいです。
”魂” を注入。
RCMには そのマシンだけにわざわざ用意された専用アイテムが必ずあります。
このシリアルナンバープレートと同じシリアルナンバーの入ったキーホルダーで
その二つが揃っていれば 間違いなく正真正銘のRCMです。
N・Fさんからリクエスト頂いたのは、ゴールドの正立OHLINSフォーク!
ステムやライトステーなど 車体各部の装備はブラックで引き締め、Fフォークを
ワンポイントでゴールドにすると言う カラーコーディネートですね ♪
SCULPTURE製 スイングアームには、どうよ!とばかりに スタビライザーを
追加で溶接・・・
形状は、異なる3つの径のバーリングを施したモナカ合わせ、通称 ”包丁” を
チョイスしています。
本溶接が終わった所で、スイングアームもブラックにコーティングされるべく
旅立ちました。
と言う訳で、スイングアームが戻って来るまでにエンジンセクションを進めます。
空冷Zのエンジンオーバーホールは、基本どれも同じメニューを施しております。
クランクシャフトは位相を点検して、位相ずれがある様なら 圧入部を一端分解し
組み直してから芯だし。ミッションは消耗品を交換した上で ドックの噛み合いを
精密シムで調整し、クラッチハウジングは丸々新品にコンバートする。
どれもしっかり正確な作業を行っておかないと、だいたいが後々困るハメになる
部分ばかりですので、ここはノウハウを駆使して きっちり仕上げます。
この個体もシリンダーライナーの圧入が緩くなり始めており、ここも今の段階で
ライナーを売れ換えておきましょうと、PAMS製 ESTスリーブに交換・・・
生産当時から45年以上も経過してますから、現行マシンのオーバーホールとは
根本的にメニューが異なり、Z系ならではの必須科目を熟す事で本当の意味での
オーバーホールが成り立ちます。
サンクチュアリーメカブランド製 10mmクロモリシリンダースタッドに、同じく
オリジナルのタイミングパーツを採用・・・
カムチェーンテンショナーのアイドラーはクランクギヤと同じ15丁ギヤで、全て
軽量化された カムチェーン回りの駆動に対して負荷の少ないタイミングパーツです。
そして、翌日・・・
完成したエンジンが搭載されておりました。
既にナイトロレーシング製 チタン手曲げエキゾーストが装備されておりまして
右側にチラっと見えるフロントのラジアルマウントキャリパー GP4-RXが
従来からのベーシックなラジアルキャリパーとは違って 精彩を放っております。
このGP4-RXもそうだし ブラックの484もですが、カッコいいですよね~
ブレーキキャリパーがカッコいいって 悦に浸るの、自分だけすかね?(;^ω^)
N・Fさ~ん!
ちょっと油断してたら、Z-1もMK-Ⅱみたいに全然見つからなくなってまして
今かなり慌ててます・・・ ( ̄▽ ̄;)
そんなカウントダウンに入った 空冷ZでのRCM・・・
7月中に完成すると思いますので、楽しみにお待ち下さいねっ! (^^)/