こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
まだご紹介できてないRCMシリーズ・・・
シリアルナンバー570前後から、製作が随分進んでいるにも関わらず まだ一回も
お見せ出来てないと言うRCMが結構ありまして、もはや不測の事態・・・ (;^ ^A
(今年もブログ、週一 ペースかなぁ・・・) と、既に嫌な予感一杯の年頭です。
今現在の大半が空冷Z系なんですが、今回は路線別のマシンをご紹介しましょう!
て言うか、やっとご紹介・・・ ( ̄▽ ̄;)フ~
福岡県 T・Tさんの、RCM-580 Ninja スポパケ NewTYPE-Rです!
”NewTYPE-R” と言えば、電装系フルコンバートの魅力もさながら、この
エンジンのフルオーバーホールも最大の魅力だと言えるでしょう。
最近1990年代の車両も、随分パーツ欠品が目立って来てる機種が増えており
重要なパーツが手に入らなくなるとオーバーホールがしっかり出来なくなるので
やれやれと言った心境・・・
この画像の中の部品だけでも相当なパーツが永久欠品になっており、90年代の
車両を所有してる方でエンジンオーバーホールを考えておられる方達は、部品が
まだ入手できる今の内に行っておいた方が無難かと思います。
クランクメインとコンロッドのメタルベアリングは、まだ全種入手可能な様ですが
よく使用する厚みのメタルがなくなると、相当まずいです・・・ (-_-;)
新品メタルの上にうっすらあるグリーンのラインは 潰してクリアランスを確認する
プラスチゲージで、こういう測定もメタルの種類があってこそ出来る作業ですから
パーツが入手できるか 出来ないかは、本当に重要な要素なんです。
プラスチゲージを潰し同時にマイクロメーターで測定も行った、エンジンの要で
あるクランクシャフトは既に再生済み・・・
これもメーカー欠品ですから新品が手に入らず、曲がりを測定し 曲がっていたら
0.01~0.02内の範囲まで直して、更に4気筒のカウンターウェイトの回転
ムラを揃えるバランス調整を釣合い試験機の上で行いました。
その後、メイン&コンロッドの軸部を鏡面仕上げするジャーナルラッピングを
施せば、入手できなくなったクランクシャフトの再生が完了すると言う流れです。
奥にチラリと見えているスターターのワンウェイクラッチは、もちろん後期型の
対策タイプで、トランスミッションも新品は殆ど入手できないものばかりですが
状態の良いストックパーツとハイブリッドさせてコンディションを回復させます。
上下クランクケースを合わせて各サイドクリアランスを測定し、シフトドラムと
シフトフォークの操作を確認するのは 空冷Z系エンジンのオーバーホール工程と
変わらず・・・
でも Z系ほど手を焼かないのが、 Ninja系を代表とする水冷エンジンマシン
ならではの設計の良さで、そこはありがたいですねぇ (^^)/
Z系エンジンだけではなく、Ninjaなど水冷も精密内燃機加工を行っています。
エンジンの燃焼コンディションに大きく影響するシリンダーヘッドは、精密・正確な
内燃機加工がより要求されるセクション。
加熱窯で温度を上げて、叩いて抜くバルブガイド・・・
Z系の多くは下穴が荒れているものが多いですが、さすが水冷、Ninja系は
それほど悪い状態ではありません。
でも左右下、インテークバルブシートリングの外側が荒れているのわかりますか?
デトネーションによるものではないと思いますが こういう個体はよく見かけます。
バルブフェイスが直にあたる面ではないですが、シートカットにより同時に修復を
行う事に・・・
これはノーブレストで、毎回200ロットで製作しているNinja用バルブガイド。
元々の素材はバルブガイドに適した鋳鉄材料で、それを専門の業者さんから仕入れて
NC旋盤で削り出しているもの・・・
外周寸法は、Z系の場合だと3種類ほどオーバーサイズを用意して 測定して合わせて
いるのですが、Ninjaは1種類だけ、0.02ほどオーバーサイズのもので用意し
打ち替えしています。
リーマ加工まで終えたバルブガイド・・・
ヘッド側下穴が良い状態でも、鋳物のヘッドそのものが痩せ始まっているものがあり
Ninjaもバルブガイドの入れ替えが必須メニューとなって来ました。
もちろん、ガイドを入れ替えてから同軸度を追求したシートリングカット加工を施し
そこで始めてシリンダーヘッド精密加工は ほぼ終わりとなります。
ちなみにシリンダーボーリングも、画像を撮り損ねましたが専用ホーニングマシンで
1000分の1台 精度を追求・・・
ここまでの精密加工は全て内製にて作業しております! (^^)v
今は自社で受けてる車両のエンジンだけでなく 他店様からの業務依頼も入っており
結局、忙しさに拍車をかけるハメになってますが・・・(苦笑)
「エンジンオーバーホールとは即ち精密内燃機加工にあり」と言う具合に、ここを
疎かにすると、きちんと組み付けても調子が上がりませんから、非常に重要と言う
事から、専用機を導入して工場も借り 稼働させている訳なんです。
今年の年末年始は、点滴三昧にならない様 気を付けます・・・ ( ̄▽ ̄;)
と言う訳で、組み上がって搭載されたエンジン!
この画像自体は昨年のもので 今はもっと進んでいるんですが、撮り溜めていた
画像を今年になってやっとご紹介できて、良かった ♪
内燃機加工の画像は実は他にも山ほどあるんですけど、順繰りご紹介をして参り
ますので、もうちょっと待って下さいね (^^ゞ
福岡のT・Tさ~ん!
もう半年以上とだいぶ時間が掛かっておりますが、この春 納車いたしますので
お楽しみに!
お待ち下さいね~っ!