こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
今年に限らず ここ数年ずっとそうなんですが、とにかく力の入ったRCMの
オーダーが多く続いています。
それらは「エンジンメニューへの注力」と「最高峰メーカーパーツの採用」に
力が注がれており、走行性能は言うにおよばず、見た目の印象からして違いが
わかるほどアップデートされた仕様。
皆さん、本当の意味での ”特別な1台” を所望されているんだなぁと・・・
つくづく感じています。
今回久々に製作が始まった このデモ車カタナも、自分達サンクチュアリーに
とって、自分にとっても本当の意味で ”特別な1台” にしたいマシン。
RCM-644 GSX1100Sカタナ(その2)です
先日、皆さんにお披露目した【新型レイダウン治具】が取り付けされました。
カタナでも RCMの場合はリアサスレイダウン加工を行うケースがあります。
ワイドなスイングアームを使用するにあたり、リアサスの左右スパンをサスの
取り付け部基準で295mm以上に広くする必要があり、ワイド幅加工と言う
幅広にするだけのメニューもあるのですが、サスの角度を変えるレイダウンと
同時にワイド幅化するコースの仕様もあるんです。
こちらも先日ご紹介した新型レイダウン治具の部品で、段階的にキリのサイズを
上げて穴開けする為のアダプター。
丸いフレームパイプにキリを立てると どうしても横に反れようと走る傾向があり
最初はφ6から始め、φ8、φ10と徐々に大径化する事でキリの逃げを補正して
穴を開けられる様にアダプターを差し替えて行くんです。
Z系フレームでは穴を開けた後にサスマウントブッシュを挿入して溶接しますが
カタナではブッシュにパイプを挿入させて左右を繋ぐタイプのものを用います。
これはシートレールに穴を開ける訳ではなく、シートレール下のガセット部に
穴を開けて溶接する為、面積の広い部分にブッシュを持って来れると言う事から
大径のブッシュを使用してるんですが、これにより内側をパイプでバイパスし
外側からレイダウン治具で固定すると言う、内と外で挟み込んでより高い精度を
確保しているんです。
左右をバイパスさせている挿入パイプは溶接終了後に切断して取り除いてます。
このバイパスパイプは、あくまでも使い捨て治具の一部・・・
サスマウントを左右繋げば同時に補強にもなると言う考え方は全くありません。
治具は治具であり、補強にあらず。
補強をやたらと増やせば強くなって良くなると言うものではないんです。
新型レイダウン治具は、サスマウントブッシュを治具で固定したまま表と裏
全ての溶接を終わらせる事ができる為、溶接での引っ張りによるブッシュの
傾きや左右誤差を最小限に抑えられる優れもの。
リアサスレイダウン加工は、この専用治具ありきで初めて可能な加工であり
治具無しで正確な加工は出来ないと言えるでしょう。
レイダウン加工後は、おもむろに旋盤で鉄のスリーブを削り出しました。
これは、それこそ大昔に中村が時々作っていたものなんですが・・・
右側のサスマウントブッシュ周辺に、これまた簡易的な治具を作って溶接・・・
できましたね! (^^)
これはサイレンサーステーを取り付ける為のボスで、リアサスを挟んだ形で
パイプワークのステーを二か所で取り付ける為の機能。
この段階で溶接しておかないと出来ないので、事前に設けておいたんですが
どんなステーになるかは 最後のお楽しみにて! (^_-)-☆
こうしてフレームが出来上がりました。
足回りパーツやワンオフ装備がボルトオンで取り付け出来る事・・・
頭の中に浮かぶRCMカタナにするべく、計画的で建築的なフレームの完成です。
しばらくして・・・
美しくブラックにパウダーコーティングされて戻って参りました。
9月に入ったら、いよいよ車体を立ち上げますよ~ (^^♪
最近 たまに問い合わせを頂くのですが、過去に製作されたRCMをどちらかで
購入された方から「このバイクはRCMですか?」と聞かれる事があります。
お話を聞いてみると、どうやら”RCMであろう”と 思われるバイクなんですが
一番簡単な見分け方として
【1】RCMシリアルナンバープレートが車体に取り付けされている事
【2】オーナーズアイテム RCMシリアルナンバーキーホルダーがある事
この二つが揃っていれば、長い年月の経過の中で その姿・形が如何様になって
いたとしても ”正真正銘のRCM” だと言えるでしょう。
今回のデモ車カタナも正真正銘、正規のRCMとして製作されますので
唯一無二のシリアルナンバープレートとキーホルダーはキープ済み。
完成目標は2025年の初頭を予定。
是非、ご期待ください。