2023年 11月5日
茨城県 筑波サーキット
早朝のBパドック。
秋の大会は陽の昇りが遅く、まだうっすらと暗い・・・
この静かなコース上が 想いがあるからそうなのか、自分には荘厳に見えた。
チームブースを立て 今日と言う一日が始まる・・・
ゼッケン39最後の挑戦 ラストラウンド、 結論から先にお伝えしよう。
ベストには遠く及ばずながらも、予選は6番手グリッドに並ぶ
だが
ウォーミングアップランが始まる直前で、突如エンジンが停止。
原因はリチウムイオンバッテリーの突然死によるイグニッションダウンだった。
ふたたび早朝のパドックへ
前日の夜まで掛かった修復作業は、練習走行はおろか 前日車検も通す事が
できず、決勝当日の朝に車検を受ける。
それでも、こうしてこの日を迎えられた事に胸を撫でおろしていたようだ。
なにせ転倒後はフレームへのダメージをレーザー測定している余裕もなく
只ひたすら復元するだけであったのだから
短時間で試みた修復は板金溶接を中心とした作業で 造り直しなどしている
時間はない。
それでも、見た目にはそれほど違和感を感じないほどまで直っていた。
ライダー國川浩道は、誠太郎が憔悴しきっている姿を見て心配になり、急遽
助っ人に吉田裕也を呼んだ。
裕也も前日の夜から3号機の復元に助力している。
予選開始前のウォーミングアップエリア
結局、ラスト2日間で合わせ込む予定だったマップ調整は出来なかったが
ぶっつけ本番、やるしかない。
ベストではないがベターではあるから、望みは捨てず 挫ける事などはない。
それはここまで共に歩んで来た仁科とて、同じ想いであろう・・・
この日は店を閉めて、来れるスタッフ全員を連れて来た。
レースウィークともなれば時間と予算はいくらあっても足りなくなる・・・
だからこそ日常の 通常業務を疎かには出来ず、彼らはそう言った意味でも
レースクルーの活動を陰ながら支えて来たとも言えるだろう。
だからこそ、最後のレースを見せてやりたかった。
目に焼き付かせ、記憶に残してやりたかったのだ。
やがて、公式予選が近づく
ハーキュリーズマシンばかりに囲まれ、空冷Zで挑む2クラス混走の予選。
いざ、ピットロードへ
(最終回に続く)