こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
7月13日のブログから、かれこれ2週間以上も更新していない事に気づき
(えっ!)
「あれから2週間以上も経ってたの?」と 自分でもビックリし、恒例深夜の
自宅リビングにて女房が寝たのを見計らってパチパチと書き始めてます。
う~む・・・ いかんな~
ここ一月程は 新カタログ「バイブル11」絡みの仕事に追われ、自分も含めて
メカニック達も大いに時間を取られてる始末・・・
まぁその分 内容の濃いカタログになりそうなので、そこは楽しみなんですが
正直だいぶ バテてます ( ̄▽ ̄;)
まぁ、その辺りの話はまた次回にするとして
本題に入りましょう。
岡山県在住 M・Hさんからお預かりして製作された、RCM-639 Z750
ご紹介しましょう。

RCM-639 Z750です。

実は2ヵ月ほど前に ほぼ全ての作業を終えていたんですが、あるパーツの入荷に
時間が掛かりまして、つい先日ようやくそれが入荷し、急遽完成へと至りました。
そんなRCM-639

持ち込み頂いた時の車両のカスタム同様、前後輪17インチホイール仕様にて
仕上げました。
最初に使用されていたフロントフォークが、確かZRX1200の純正フォーク
だったかと記憶してますが、ZRXのフォークだと長さが短く 相性が悪いので、
今回は全長800mmのXJR&CB1300用OHLINSフォーク、それも
ノーブレストのExMパッケージで組み直しました。
フレームのステアリングヘッド回りに入っていた補強を一端切除し、やり直し
したのが とにかく大変でしたね~・・・ (;^_^A

180幅以上のリアタイヤで正規にチェーンラインを整列できる様、根本的に
フレームから加工し、造り込みし直しました。
RCMである事のレギュレーションの一つに、サンクチュアリーで製作された
車両である事、と言う項目がありますが、今回は正にそのレギュレーションに
適したご依頼になっています。

エンジンも分解してみたら、相当に課題・難題アリと言う状態で手こずりました。
クランクケースの一部にクラックが入っており、それをTIG溶接で肉盛りして
ディンクスの汎用NC機YZ500-WRで刃物修正。
ようやく耐熱ガンコ-ト塗装まで行けたと思ったら、今度はシリンダーブロック
肉厚が限界を超えている事に気が付き、急遽 別のシリンダーを用意して新規に
スリーブ入れ替えボーリングを行いました。
他にも”空冷Zあるある”な部分が細かくあって、補修と言うイレギュラー作業に
時間を費やした感が強いエンジンでしたね。

精密内燃機加工はもちろん、絶対的な信頼をおいているDiNxにて全て施工。
クランクシャフトは芯出し、シリンダーはスリーブ入れ替えの際に上下を面研。
オーバーサイズバルブガイドへの入れ替えリーマ加工後は、真円度に拘った
バルブシートカットを限りなくセット長を揃えて仕上げています。
超ショートストローク仕様のスペックで、最初から施してあったツインプラグは
もちろん そのままとし、熱対策としてトロコイドオイルポンプを採用しました。

New6速クロスは、ジュラルミン削り出しデュアルベアリングホルダー式の
ドライブチェーンラインEVOシステムで、クランクケース側面剛性をもアップ。
エヌマチェーンさんがリリースしているEK530RCMコンセプトチェーンも
ナロータイプの薄型規格で、タイヤやフレーム等とのクリアランスにマージンを
稼ぐことが出来ています。

外装カラーは いわゆる火の玉ノーマル色で、元々の外装をそのまま再使用したもの。
一部 剥離した部分があったため、ポイント補修してクリアーコートのみ施しました。
なので、RCMタンクステッカーもしっかりクリアーコート済み (^^)/

ハンドルバーは、すっかり定評が浸透したデイトナさんのRCMコンセプトバー。
ヘビーウェイトなグリップエンドも同じくデイトナさんのRCMコンセプト物で
M8ボルトでしっかりトルクを掛けて締結できる信頼性の高いコンビパーツです。
サンクチュアリーだけでなく、別の大手メーカーさんがRCMコンセプト製品を
リリースしてくれる様になって 今は本当に助かってるんですよね。

このRCM-639も思えば長い期間を経て現在に至っておりますが、その間
オーナーM・Hさんも紆余曲折、考えたり悩んだりされておりましたね・・・
でも、大事にして来た愛機でしょから、こうして凛とした姿に生まれかわり
質実共に以前とは全く違ったマシンに仕上がっている事は喜んで頂けるはず。
と、
そう思って最後のロードテスト工程に移行しようとしたんですが・・・

アイドリング付近のみ ゴトゴトゴトゴトと振動が出ており、クラッチを切ると
若干異音が下がる・・・
クラッチハウジングは丸々 Z1000J用の新品にコンバートしているから
ハウジング本体からの異音とは思えず・・・
3000rpm以上にエンジン回転を上げれば感じない振動と異音だった事から
十中八九 クランクシャフトだなと判断。
例え芯出しをしていても、コンロッド&メインのベアリングが消耗していると
この手の振動・異音が発生するもので(う~ん・・・ これもだったか~)と
最初からクランクリビルドを勧めておけば良かったと後悔してます ( ̄▽ ̄;)

これをこのまま「Zはこんなものですよ」と納車する訳には行きません・・・
RCMなんですから
と言う訳でタイトルにある様 、完成!したんですが (^^;) すぐ納車できず。
再度エンジンを下ろして、全分解し、お盆休み明けにディンクスにてクランクの
フルリビルドを施工する事となりました。
M・Hさ~ん!
お盆休み前納車 あきらめてなかったんですが、ここに来て申し訳ありません。
M・Hさんのご理解、そしてご協力に感謝します <(_ _)>





