こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
”まだご紹介できてないRCMシリーズ” ですが・・・
まだ一度もご紹介できてない車両が数台あるものの 画像の撮り溜めの関係から
一端封印させて頂きまして、途中経過の車両も混ぜつつ更新したいと思います。
今回は前置き控え目にて
RCMー499 KZ900のオーナーである、神奈川県在住の H・Mさんから
新たに2台目を製作したいと承りました、RCMー568(その2)です!
このRCM-568もアッパーカウルをフレームマウント化しているZ1-R・・・
Z1-R最大の泣きどころ、問題個所とも言えるメーター回りを含めたフロントの
マスク回り重量は相当な重さで、中村自身 今から35年も前に我が愛機Z1-Rで
高速を走行していた際にフロント回りが振られてそれが中々収束できずに、あわや
転倒?と言う恐い経験をした事があります。
Z1-Rのノーマルメーターとビキニカウル回りは、毎回言ってますが 例えるなら
ママチャリのかご満載で突っ走ってる様な状態ですから、とにかく安定感がない。
だからこのアッパーカウルのフレームマウント化は Z1-Rのハンドリング性能を
激変させる有効な手法なんです。
ハンドリングはバツグンに良くなるんですが、問題は見た目でして・・・
左右にハンドルを切ってもカウルは前を向いたまま動きませんから、当然ながら
マスターシリンダーのレバーがカウルに思いっきり食い込みます。
それを避けるべく カウルの取り付け位置を少し前に出すのですが、あんまり前に
出してしまうと バランスの崩れたカッコ悪いシルエットになってしまう・・・
だからそこを絶妙な位置に持って来るのが 腕の見せどころでもあるんです (^^)v
カウルを少し前に出すだけでは足りず、左右レバーを避ける様 ナックルの”えぐり”を
少し深い形状にカットする事に。
ここも適当に こんなもんだろ的なカットをすると(何かイマイチだな・・・)なんて
事になりがちなんで、実は意外と慎重に進めます。
RCMらしく均整の取れた自然なフォルムにする為、まずはラフスケッチでラインを
書いてから 一歩俯瞰し、よ~く見てからカットして行きます。
カウル本体は ほんの僅かだけ前に出た位置で取り付けられますが、そのわずかな
位置の違いでメーターが収納されるスペースにも余裕が生まれ、このあと取り付け
されるオリジナル3連メーターがきれいに収納されると言う利点もあります。
もちろんそのメーターもフレームマウント用のブラケットに取り付けされますから
ステアリング回りは殆ど装備が取り付けされず、ストレスフリーなハンドリングが
実現されます。
足回りの方はと言うと、今回このRCM-568に採用されるのは イタリアの名門
O・Zレーシングのマグネシウムホイール CATTIVA(カティーバ)・・・
それをオリジナルでゴールドに塗装したもの。
カティーバを使用するマシンは久しぶりで、それほど今はマグではなくアルミへと
移行している・・・
鍛造アルミホイールの重量がマグネシウムホイールに肉迫している事から ライフと
コストパフォーマンスからの観点でアルミが主流になっているんです。
でも、O・Zと言えば やはり世界選手権 Moto-GPやワールドスーパーバイク
レースを代表する真のレーシングホイールですから、マグネシウムは代表的な存在。
今現在 最新のMoto-GPマシン達は、Moto-3&Moto-2の大半が この
6本スポークCATTIVAで、Moto-GPクラスでは8本スポークマグとなり
世界選手権マシンの全体 約7割ほどが全てO・Zレーシングホイールなので、そう
考えるとやはりO・Zのイメージはマグネシウムホイールなんでしょうね・・・
ホイールの存在感に負けじと、ブレーキディスクには日本が誇るサンスター社製の
最高峰、ワークスエキスパンドディスクローターに・・・
そしてキャリパーも当然、もう今はラジアルマウントこそが あたり前の主流であり
少し前の規格品ラジアルではなく、ボディの中央部分が一体で繋がってる現行規格
ブリッジレイアウト型 GP4-RXのブラックバージョン、484をチョイス (^^)/
これが開き剛性においても有利な規格品であり、中村もお勧めのキャリパーです ♪
いやぁ~~~
ゴージャスな世界最高峰パーツ達に癒された後、今度はいきなり地味な作業に・・・
御覧の様に、アッパーカウルの上側&カウルミラーの取り付けをする、ブレース式
ブラケットが出来上がったので、カウル側を加工していたと言う訳です。
このちょっとしたブレースを介して取り付けてあげるだけで、カウルの上側を始め
ミラーのビビり方も全然違いますから、RCMではなるべく取り付ける様 心がけて
いるんです。
カウルの取り付けされる部分に僅かにRがついていたりと、合わせて加工するのが
何かと大変なんですが、ここでひと手間かけて専用ブラケットを造ってあげるのは
とても重要な事でしょう。
ここには造り込みを売りにしてる、RCMならではのワンオフの世界観があります。
そのブレース式ブラケットと締結されるカウルの穴は、M6ボルト2本で固定される
ものなんですが、ドリルのキリで一気に穴を開けるとファイバーに小さいクラックが
細かく走るので、エアーリューターで丁寧に穴を開けてあげます。
こういうのも、今まで紹介して来なかった日陰の作業で、とにかくこう言った地味な
作業の集大成 積み重ねこそが、華やかなRCMになるんですよね・・・
さて、こちらも組み立ててしまうと その全容が目に見えなくなってしまうエンジン。
毎月5機~8機と言う、とてつもない数のエンジンオーバーホールが施工されており
大半がガンコート塗装をご希望される事から 現在はガンコート渋滞が起こってます。
今回このRCM-586のエンジンガンコート塗装も、だいぶ待って納品されました。
この後は完全内製による、精密内燃機加工工程へと移行・・・
最初の取り掛かりは、このクランクケースのアッパーから手掛ける形になります。
【真のエンジンオーバーホールとは精密内燃機加工にあり】
ここから一段、更にハードルが上がりますよ・・・ (;^ ^A
H・Mさ~ん!
前回のブログ(その1)から だいぶ時間が経っての更新で、すみませんでした~
3月完成を目指して進めていますので、期待していて下さいね~~~!!!
ちなみにオーナーのH・Mさん
RCM-499 KZ900から、この2台目 RCM-568 Z1-Rに続きまして
既に3台目のRCM Z-1製作が始まっております・・・ (^_^;)
3台目のZ-1は前後18インチホイール仕様。
いずれそちらも ブログでご紹介させて頂きますね ♪