こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
昨日 無事に帰国しまして、本日より普通に出勤しております。
海外渡航中でもメールは見れていたのですが、いかんせん、朝から晩までアチコチ
転々と動き回っており、ホテルに戻るとグッタリ・・・ (-_-;)
今朝がた出勤して見れば仕事が山積みで、昨晩ウトウトしながら下書きしておいた
ブログを何とか進めてる状況でして・・・
皆さん、ご返信が遅れまして申し訳ありません。
九州在住 Zさんからオーダーを頂きました、このマシン・・・
ご紹介しましょう。
RCM-591 KZ1000MK-Ⅱです。
MK-Ⅱをベースに徹底的に手を加えて製作されたRCMで、オーナーZさんの
想いが詰まってるなぁ~ と言った印象が強い仕様。
ブラック重トーンの中に、遊び心のゴールドが点在しているコーディネートが
カワサキバイクのチューニングマシンらしいオーラだなと感じました。
イカつく武骨な風格ですが・・・
角Z感を推しながらも、その実 中身はロードスポーツバイクのエッセンス満載。
昨年3月にオーダーを頂いたんですが、丸々1年も掛かってようやく完成・・・
お時間が掛かりまして、本当に申し訳ありませんでした <(_ _)>
SCULPTURE製 TYPE-3トップブリッジに組み合わされたデイトナ製の
セパレートハンドルがロードスポーツ志向を物語ってますね。
マスターシリンダーのリザーバータンクは オーナーZさんからのご要望もあって
なるべく左右シンメトリーになる様ブラケットをワンオフして取り付けしてます。
タンクはクラッチ用の容量なので、ブレーキ側だけダブルディスクキャリパーの
容量に適しておらず、ブレーキパッドの減り方によってはフルードをつぎ足して
頂きたいと思います。
これが個人的にも好きな ”画” なんですが、O・Zレーシングホイールを中心に
OHLINSフォーク&Bremboブレーキと、世界のトップメーカー品だけ
組み合わせたハイエンドなコンビネーション。
アレーグリ製ショルトシステムブレーキホースのフォルムと、SUNSTAR製
RCMコンセプトディスクの存在感も大きな魅力の要因だと思います。
前後輪17インチホイールシャシーに合わせて、フレームは大きくモディファイ。
リアタイヤ190のZさんのリクエストで、ピレリディアブロロッソコルサ2の
迫力あるビューがたまりません。
ブロックピーススタビの追加溶接に カーボンリアインナーフェンダー取り付けと
オールコースで足回りを仕上げました!
RCM-591で、最も力を注がれたのが この ”エンジン” でした。
MK-Ⅱのクランクシャフトは何故か位相ズレをしている個体が多く、一端クランクを
全分解してベアリング&シムを新品に交換し組み立て直したフルリビルド。
このクランクのフルリビルドこそはディンクス十八番の得意分野で、スムーズに回る
軽いフィーリングは別モノの感触でした。
6速クロスミッションはもちろん、オフセットスプロケット要らずEVOシステムで
腰下セクションへの拘りは相当なもの・・・
エンジンは腰上にも力が入っています。
まだ余力を残しつつのφ73ピストンを用い、ディンクスのレア機 H85Aによる
精密ホーニング仕上げでピストンクリアランスを仕上げました。
オーバーサイズスリーブ入れ替えの際、この時しか出来ないとばかりにブロックの
上&下面研も施しており、クランクケース上面研とポンピングロス加工も施工して
クランクケース内圧上昇が原因での各部からのオイル漏れ対策を万全にしました。
吸排気バルブもディンクス5.5mmステム軽量ビッグバルブをチョイス!
併せてバルブガイドも専用品に打ち替え、同軸精度を追求した三面シートカット。
ハイコンプ仕様でのデトネーション対策で、ツインプラグ化も忘れてはおりません。
更に真夏の熱ダレ対策としてトロコイドオイルポンプも投入しており、エンジンの
スペックは本当に力の入ったメニューでした。
この様に ほぼフルメニューに近いハードなコースでしたから、製作時間が掛かって
しまったのは致し方ないと納得させつつも、内心
(それでも1年間は掛かりすぎで 結局言い訳してるよなぁ ) と、猛省 ( ̄▽ ̄;)
ただ最近は このRCM-591に限らず、1年とかが普通になって来てしまったので
RCMの造り手たる自分達をより錬磨させねば!と、気合を入れ直しました。
このRCM-591のオーダーを頂いた頃は、まだ200万円未満で提供が出来る
MK-Ⅱが何台かあったんですよね・・・
でも1年たった今・・・
あれから空冷Z系RCMのオーダーを何台も頂いた事もあって、もはや200万円
未満と言う価格帯で提供できるMK-Ⅱは一切ありません。
MK-Ⅱだけでなく Z-1やZ1-Rなどのストック在庫も相当減ってしまい、残すは
あとわずかと言った状況・・・
(さて・・・ いよいよ困ったぞ) と言った心境です。
RCMもシリアルナンバーで数えると 600番台の中盤に差し掛かってますが
Z系、CB-F/R、そしてカタナなどの機種は、700番台では殆ど見かけない
機種になるやも知れません。
2023年・・・
ガソリン時代の終わりが刻一刻と近づく中で、まだ今・・・
残された今、夢を実現できたZさんは幸運だと 自分は真面目に思っております。
九州のZさ~ん!
今月末頃に検査登録が完了したら、すぐにロードテストに取り掛かりますので
もう少しだけお待ち下さいね~ (^^)/
そうそう・・・
余談ですけど、どうやら来年あたり 九州でのROCイベントがありそうですよ
その時は自分も行くと思いますので、よろしくお願い致します <(_ _)>