S・Kさんの、RCM-157スポーツ・パッケージTYPE-Rも、いよいよ完成間近となりました。
残す作業内容を確認しつつ、段取りして行きます。(ホント仕事は段取り八分だと思いますわ)
先日仮組みしたままのリア回りをフィニッシュさせるべく、ホイールカラー単品製作を致します。
使用するリアブレーキは、SANCTUARYメカ・ブランド製の、ブレンボ2PキャリパーKIT。
Φ250用ブラケットを使用します。S・KさんのNinjaは、既にスイングアームもリアディスクも
Ninjaのノーマル寸法では無いので、ホイールカラーは単品製作する必要があるのです。
リアホイールを採寸測定します。リム幅数値を2で割り、左右それぞれカラーの端面までの
距離値を足せば、現状の数値が出ます。今回はホイールセンターから左右の端面部まで
同数値(アーム内幅254ミリ÷2=片側127ミリ)になる様、カラーを造り直しして行きます。
この時同時に、ホイールセンターからRスプロケット取り付け面までの距離も、測定します。
いわゆる”チェーンライン”です。(スプロケ自体の面でなく、スプロケハブ面の方ですよ・・・。)
A2017Sジュラルミンの丸ムク材から、旋盤で削り出します。凸型形状なのには意味があり、
ホイール側ベアリングに低圧入させる構造にする事で、整備性を良くする為の形状です。
この後すぐにホイールに組み付けはしません・・・。アルマイト処理を施した後、本組みします。
Fスプロケは530サイズで、10mmオフセットを使用。ニンジャのノーマルチェーンラインは、
ホイールセンターからRスプロケ取り付け面まで95mm。今回入れるO・Zのリアホイールは、
そこの数値が105mm・・。つまりその差は10mmで、Fスプロケのオフセット値だけで
チェーンラインが整列すると言う訳です。 (ちなみに180タイヤの場合、このチェーンラインが
102mm以上ないと、チェーンとタイヤ左サイドが、間違い無く絶対に干渉しますよ!!)
続いてはサイドスタンド・・・。このやたらと寝ちゃう、困ったサイドスタンドを何とかしましょう!
社外のステンレス製ロングサイドスタンドを使ってる方も多いかと思うので、あくまで個人的な
意見なのですが、実は中村流ではノーマルサイドスタンドを延長する手法に、こだわります。
サイドスタンドをカットし、延長材をその間に入る様、形を成形します。
斜めの切断面は、少しでも多く溶接部を増やす為の工夫で、溶接する祭の基本知識です。
(スタンドは以外に荷重がかかりますので、万が一、折れたりしたら大変ですから・・・。)
溶接したのがコレ。全長で約60ミリほど延長された、サイドスタンドとなりました。
ついでにスタンド・ストッパーも造っちゃいましょう。小さなプレートを切り出して溶接します。
スタンドを払った時に、このプレートがフレームにあたって止る、シンプルで軽量な構造です。
完成したサイドスタンドを塗装し、取り付けて掛けてみましょう。 (かなりイイ感じですよ!)
ステンレス製ロングスタンドの方が、もちろん簡単だし楽なのですが、スタンド掛けした時の
あの何とも言えない”座りの悪さ”がどうしても好きになれません。地面にしっくり接地しないと
不安定だし、ルックス的にも 「どーです、このサイドスタンド!ステンレスですよ!」 みたいな
”いかにも感”が、中村はどうしても生理的に受付けられません。(スミマセン個人的意見です)
まぁ、価値観の違いもあるでしょうから、あくまでお奨め的な物ですが、サンクチュアリーでは
こんな風にしています。と、言った例でした。