こんばんは、ノーブレストの中村です。
サンクチュアリー本店ブログは更新してましたが、ディンクスのブログと
この自社製品業務ブログ(ノーブレストブログ)は、さっぱり更新できず
ず~~~~~っと、ほったらかし状態? (;^ ^A
先日 ディンクスブログを久々更新しまして、思わず・・・ ( ̄▽ ̄;)ホッ
今回、ノーブレストブログも たまたまちょうど良いネタがあったので
久々に更新しております。
先月27日発売の、月刊ヘリテイジ&レジェンズ誌。
特集はZRXシリーズですが、中村が毎月連載してるコラムページはと言うと
あった あった!
今回はこのコラムに掲載していた【カムチェーンガイド開発】について
雑誌とは異なった目線でのご紹介をしたいと思います。
カムチェーンからのノイズを消すべく、カムチェーンテンショナーのロッドを
1ノッチ押し込むと言ったメンテナンスは、多くの方々が経験している事かと
思います。
ですが、押しても押してもノイズが残ると言うケースもあって、このゼファー
1100のエンジンも正にそんな状態でした。
内蔵されているカムチェーンガイドは硬質ゴム製で出来てますが、経年変化に
よる劣化でゴムの弾力が低下し、硬くなってしまってるのはもちろん、中には
小さなクラックが入ってしまったものまで見かける事があります。
このガイドの劣化はカムチェーンノイズ発生の原因にもなっており、消耗品と
して新品に交換するのは、エンジンをオーバーホールする際の必須科目とも
言えるでしょう。
ヘッドカバーにもアッパーガイドが内蔵されており、ここもカチカチ・・・
先程のリアガイドだけでなくシリンダーフロントにもガイドが収納されており
通常2~3万キロも走れば どの部位もカチカチに硬化していると言うもの。
このカムチェーンガイド・・・
メーカー在庫がなく、サンクチュアリー本店で製作をするべく取り組んでおり
店名義のゼファー1100があった事から「それならゼファーで始めよう」と
スタートしたのが およそ1年ほど前の事でした。
これは純正の中古リアガイドなんですが、ツーピース式の大小ブラケットを
合わせて ピンで鉸めたピボット付きの構造に組み立てられてます。
小さなブラケットの先端にもゴムキャップが付いており、ここも作らなければ
ならないのですが、それより何よりガイド本体側には芯金がインサートされて
おり、そこを測定する所から着手。
これはゴムを剥離したリアカムチェーンガイド 芯金の姿。
もちろん、この状態にする前にガイドそのものは3Dスキャンして図面化済み。
数値はお見せ出来ませんが、こちらがCAD。
そして・・・
3Dモデリング化も出来ております。
もう一つの小さなブラケットも、3Dスキャン後にゴムを外して図面化。
こちらもCAD、そしてモデリングと全てデータ化されました。
その後、芯金は専用の金型から造る事となり、ゴム成形も同じく金型を製造。
知見あるゴムメーカーの方と「あ~でもない こ~でもない」と、打合せの後
重要となるゴムの材質をどうするか、ニトリル系NBRゴムにも成分の違いが
いくつかあって、適した材質を選択するのに長い検証期間が必要でした。
実は純正のガイドには、ベースとなるゴムのスライド面だけに薄肉フィルムの
コーティングが施されている事を知ります・・・
ここでもコーティングフィルムの材質と、融着精製方法とで論議。
他にもゴムの硬度によってノイズの発生に影響ある事がわかった事・・・
硬すぎてもダメですが 柔らかくてもノイズが出てしまう事を始めて知りました。
紆余曲折を経て、ようやく自信が持てる状態で完成したのが2ヵ月ほど前の事。
出来上がりました!
これが、自社製カムチェーンガイドです!
え~っと・・・ 確か、鉸めピンも出来てたな・・・
とにかく毎日が乱暴な忙しさで、朝から晩まで引っ切り無しに仕事つめ詰めの
日々の中、1年かけて出来たものが目の前にあります。
実はNinjaのシリンダー、フロント側に挿入されるカムチェーンガイドが
一足早く出来ており、既にロードテストが進んでいたんですが、そのテストの
経過がとても良好でして、この時点で寸法感さえクリアー出来ていればと言う
自信がありました。
では、鉸めピンを挿入しましょう・・・
準備不足から ピンの鉸め子をまだ作っておらず・・・
やむなくハンマーのヘッドを無理やり使って、プレスで鉸めました (;^ ^A
ゼファー1100のリアカムチェーンガイドは、ピボットの内側にもゴムが
装備されており ピボットのピンとの動きが気になっていましたが、どうやら
悪くない感じです (^^♪
これよりエンジンに組み込んで 実走テストへ移行します。
実は、ここからが今までと同じくらい 大変なんですよねぇ~~~ ( ̄▽ ̄;)
(その2)に続く