こんばんは、ノーブレストの中村です。
3月末発行予定のNOBLESTパーツカタログ【TheBIBLE-10】に
間に合わそうと必死で進めて来たNewアイテム達の中に、サンクチュアリーの
これまでの路線とは違う異色の系統 ”クラシックシリーズ” があります。
昨日 サンクチュアリー本店ブログでご紹介した、RCM-592 Z-1・・・
この車両にその ”クラシックシリーズ” が採用されており、こちらノーブレスト
ブログでは パーツのコンセプトや備わった機能などを説明したいと思います。
先ずは 「ナイトロレーシング スチールショートマフラー」からご説明しましょう。
要するに俗に言うショート管で、材質はもちろん ”鉄” ・・・
既にラインナップされてる「ナイトロレーシング スチールメガホン」のエキパイと
集合部を流用し、テール部のみを新作して生まれたショート管です。
つまり、溶接でワンピースとなってる固定形状のマフラーではなく ジョイント式で
組み立てる方式のマフラーであると言う事。
”組み立て式” は勘合部に 極わずかなガタがあって振れる性質、その機能を利用して
ショートテールパイプに溶接されたステーを、車体側に付けたマフラーステーの
内側に取り付けると、テールパイプとスイングアームの隙間はギリギリに・・・
ちなみにこのスイングアームは、SCULPTURE製18インチ専用アームで
ノーマルアームより少しだけワイド幅ですから、ギリギリになるのは想定してた
事で、ノーマルスイングアームであればもう少し余裕が生まれます。
まぁ、話したいのはそこではなくて 何が言いたいかというと
この取り付け方が ”内よせ付け” であると言う事なんです。
こちらがステーを外側で取り付けた状態 ”外出し付け” ですね。
上の画像と見比べて頂ければ わかりますが、少しだけワイドなSCULPTURE
18インチスイングアームでも かなり余裕が生まれます。
17インチホイール専用スイングアームのワイド幅にまで対応しているかは、まだ
未確認ですが、ある程度の幅に対応していると推察できます。
これが溶接で完全ワンピースになってるものですと、また”切った貼った”になるし
その切った貼ったをしてると「パイプは短くなってくわ」「再塗装が必要だわ」と
あんまり良い事がないので ”内側&外側”でアジャストが出来るのは便利なんです。
勘合部のガタを利用し、更には・・・
マフラーステーにバーニア穴(長穴)を設けて、上下にもアジャストできる様に。
この画像が一番低い位置での取り付け、すなわちローダウン状態。
これが一番上にして固定した、アップ目の状態。
上の画像と見比べると、勘合部のガタは僅かなものでもテールエンド部の位置は
30mm位 違うのが見て取れます。
この振りでアジャストする機能はナイトロのスチールメガホンにも備わっており
今回ショート管を造る企画が上がった時に最初からイメージしていた構造でした。
ちなみにテールパイプの径は 70年代初頭の頃によく見られた φ63.5・・・
大昔のショート管らしい、少し細身のクラシカルなシルエットにまで拘りました。
MK-Ⅱは大丈夫でしたが、Z-1に関してはタンデムレールのカットが必要でした。
そもそもワイド幅のスイングアームにする時点で タンデムレールは厳しいんですが
特にZ-1はタンデムレール先端が地上に近くて低いから、マフラー軌道も制約され
自由度がないんです。
もっとも、そこが好きと言う方もおられるでしょうから ここは好みの問題ですが
サンクチュアリー流では、ちょいアップ目のショート管(アップしすぎはNG)と
言う趣向の元に製作したので、どうしてもタンデムレールが厄介だったんです。
と 言う訳で、従来からのアルミ削り出しタンデムステップKITの採用を見送り
新たに鋼管で製作した「脱着式タンデムレールKIT」をラインナップする事に。
マウントボスもKITに含まれてますが、溶接が必要なKITですので 誰しもが
容易にと言うものではなく・・・ そこはご理解を頂きたいと思います。
続いては「ステップKIT」で、これは本当に大変でした。
「どうしても ここ!」と、ステップバーのポジションありきで譲らずに進めたら
難関 あるある (;^ ^Aフ~
しかも、一緒に担当したメカの佐々木が「鉄のゴツイやつじゃなきゃヤダ!」と
ダダこねてまして・・・ ( ̄▽ ̄;)
どうも元々の旧車好き魂が目覚めたらしく「そんなん別に いいじゃんかよ!」と
自分が何度言っても譲らず、結果 いろいろ試行錯誤するハメに・・・
リアをディスク化する前提のKITなので、リアマスターシリンダーもKITに
含めた構成にしてます。
リザーバータンクステーは、既にサンクチュアリーメカブランド製で設定があり
それに合わせてリザーバーホースの取り回しまで考慮し、マスターの位置を設定。
制動時の踏み込みタッチを良くするべく 専用ねじりバネをスプリングメーカーに
オーダーして、ステンレス製のリターンスプリングまで装備しました。
ステップバーと同軸に出来る構造ではなかった為、別に軸を設けてペダルを作動。
スチール材から切り出したペダルに削り出したカラーを溶接し、そこにブッシュを
圧入しています。
左右共に完全社内製で量産する為、いくつか専用治具を造る必要があったんですが
それより何より不安だったのは・・・
間違いなく量産するのは自分だろなと・・・ (;^_^A
よもやショート管と、ゴム付きでポジションが優しいステップKITを造るとは
思いもしなかった事でしたが、やってみたら これはこれで趣のある仕事でした。
この ”クラシックシリーズ” は、今年の3月~4月にかけてリリース開始の予定。
あくまでサンクチュアリー流で、中村の思春期趣向や 佐々木の趣味も入ったもの。
ステップに関しては このあと仁科が受け継ぎ、今現在 KZ900&1000にも
取り付けできるオプションパーツを開発してます。
3月末発行の新カタログ【TheBIBLE-10】を楽しみにお待ち下さいね!
= お知らせ =
私中村は 今月14日~17日までの4日間、海外出張のため不在となります。
不在中でも会社は通常通り営業をしており、メールも転送されて来るのですが
現地での業務の合間にメールを見ての返信となりますので 多少のタイムラグは
あるかと思います。
ご不便をお掛けしますが、よろしくお願い致します。
株式会社ノーブレスト 代表 中村博行